奥多摩入門の山として知られる御岳山。御岳神社に訪れる参拝客や、家族連れのハイカーでいつもにぎわう山です。夏の暑さもまだ厳しいこの時期、御岳山の山頂近くはレンゲショウマの花が花盛りを迎えます。
レンゲショウマは、山地の落葉林内に生えるキンポウゲ科の多年草で、細長い花茎の先に紫色に縁取られた白い大きな花をつけます。その数はおよそ5万株、ここ御岳山の山頂周辺には日本一の規模と言われる群生が広がっています。
平日とあってあまり接続の良くない青梅線の電車で御岳駅へ。ここからバス、ケーブルカーを乗り継ぎ、御岳山の山頂駅にたどり着きました。
山頂駅の目の前にそびえる富士峰園地周辺がレンゲショウマの群生地。杉林の中を登っていく遊歩道の両脇にはレンゲショウマの花が咲いています。近くの土産物屋さんの叔母さんの話では、週初めの雨でだいぶ散ってしまったとか。それでも長い茎の先には大きな白い花が咲いていました。
富士見園地からは大塚山に向かうことにします。大塚山は古里駅から御岳山へと登っていく裏参道コースのなかの小さな頂です。暗い雑木林の中を緩やかに登って行くと大塚山の山頂です。山頂を示す標柱が立っていなければ見落としそうな山頂です。
大塚山からは日の出山へ。暗い雑木林の中を富士見園地へと戻っていきます。レンゲショウマを目当てに訪れたお年寄りのグループが登ってきました。ケーブルカーを利用すると簡単に訪れることのできるこの山は、かなり高齢の方も登ってくるようです。
土産物屋でバッチやお焼きを買い求めたのち日の出山を目指します。天気予報では午後から小雨も降りそうな予報でしたが、御岳山の山頂は雨雲に覆われ細かい雨も落ちてきました。
土産物屋や宿坊が軒を並べる参道をしばらく登ると日の出山への分岐点です。遊歩道のような道は暗い緩やかなアップダウンを繰り返しながら日の出山へと向っていきます。やがて石の階段を登ると左手に小さな山荘。ここまでは車道が通じているようで伐採作業をしているのか軽自動車に乗ったお爺さんが2人作業をしていました。
石段を上ると広く開けた日の出山の山頂です。関東ふれあいの道の石柱の脇に2等三角点がありました。山頂のそばに置かれたベンチに腰をおろして昼食です。晴れていれば奥多摩の山々を見渡すことができるという山頂も、白く広がる雨雲の下では視界は期待すべくもありません。
昼食ののち、日向和田を目指し下り始めることにします。山頂直下の急坂を下っていくと登山道は再び杉の林の中を緩やかに下って行く道になります。小さなアックダウンを繰り返しながら道を進めると沢井と日の出町を結ぶ林道にたどり着きました。右手に下る道はつるつる温泉へと下っていく道とか。登山道は再び暗い杉林の中を日向和田へと下っていきます。
先ほどからポチポチと落ち始めてきた雨はやがて本格的な雨となってきました。8月から雨の日が多かったですが、今回の山行も雨具のお世話になる山行になってしまいました。
琴平神社の小さな社から細い尾根道を少し戻ったところが三宝山の山頂です。木立に覆われた山頂からは東側の木々が切り開かれているものの、視界は全く利きません。山頂標識の傍らに3等三角点が建っているだめの寂しい山頂です。
雨に急かれるように登山道を下っていくと琴平神社の社が祀られた日向和田の登山口にたどり着きました。ここまで下ってくると雨もすっかり止み、日差しさえも感じられそうです。登山口脇の杉林の中にはヤブミョウガが白い花を付けていました。車輪のような大きいな葉を付けた花ですが初めて見る花のようです。
久しぶりの山行、久しぶりの電車での山行。レンゲショウマが目的の軽い山旅ということでした。御岳山から日向和田へは季節が秋に移る時期ということもあり、目立った花はありませんでした。