三浦半島の丘陵地帯には、三浦一族の始祖、三浦為通が築いたという衣笠城祉と、観音崎、城ヶ島など三浦海岸を一望できる大楠山があります。都会では桜の花も散ってしまった休日、明るい丘陵をたどる軽いヒルウォーキングコースを歩いてみました。
京浜急行の特急電車で横須賀中央駅へ。さすがに京浜急行の特急電車は早いもので、2時間ほどで目指す横須賀中央駅に降り立つことができました。
横須賀の町をしばらく歩くと衣笠山公園の入口があります。舗装道路の両側には、そろそろ散りかけた桜並木が続いています。衣笠山公園は小高い丘の上に広がる小公園で、散りかけた桜を肴に花見の宴を開いているグループ、ピクニック気分の家族連れなどが思い思いに行く春を楽しんでいます。
公園から歩道をしばらく進むとアンテナの建った衣笠山の山頂です。オオシマザクラでしょうか、白い桜に囲まれた山頂には展望台が建っていました。晴れた日には横須賀の町並みが見渡されるのでしょうが、今日は薄く霞が棚引きあまりよく見えません。
山頂での展望を楽しんだあと、階段状の坂道を沢筋に向かい下って行きます。右手の小沢を渡り樹林帯の暗い坂道をひと登りすると衣笠城址にたどり着きました。衣笠城址は三浦為通が築いた館跡。三浦為通は前九年の役で源頼義に従って活躍した武将で、その戦功によりこの地を領有したと伝えられています。登山道から少し入った小高い丘には、古い石碑が建っていました。一帯は芝生に覆われた小広い園地となり、ソメイヨシノ、オオシマザクラが今を盛りと咲いていました。
衣笠城址で小休止の後、大善寺の脇から山道をたどって行きます。今朝ほどまで降っていた雨で道はかなりぬかっています。南横浜バイパスの上に架かった歩道橋を渡ると、明るい湘南の丘陵地帯をたどるヒルウォークの道が続いていました。やがてゴルフ場の脇を通り抜け、階段状の坂道を登っていくと大楠山の山頂です。広く開けた大楠山の山頂にも展望台が建っていました。良く晴れた日には、富士、箱根、丹沢山塊、房総半島などが見渡せると言いますが、今日は曇り空の下にわずかに三浦半島が眺められるだけです。
大楠山からは前田橋に下ることとします。樹林帯の暗い道をしばらく下って行くと前田橋のバス停にたどり着きました。
衣笠城址に向かう道の両側にはタチツボスミレ、ムラサキケマン、黄色いミツバツチグリ、かわいらしい花を付けたオオイヌフグリなど、春の花が今を盛りと咲き競っていました。
大楠山の道端にも春の花を見付けることができます。長い釣り竿のようなひげを伸ばしているのはウラシマソウ、マムシグサの仲間です。地面に張り付くようして紫色の花をつけているのはキランソウでしょうか。