積翠寺温泉9:35-要害山10:25-竹の沢分岐11:25-深草観音11:40/13:30-日吉神社14:20、瑞岩寺14:25、積翠寺14:35/40-積翠寺温泉14:45
武田信玄が産湯を使ったとされる要害城は躑躅ヶ崎館の詰めの城と作られた山城です。この山は山梨百名山にも数えられ近くの兜山とともに軽い縦走コースとしてガイドブックなどでも紹介されています。しかし登山口の積翠寺温泉温泉までの交通の便は悪くこれまで訪れる機会がなかった山の一つでした。
武田神社から若葉色に包まれた山里を登って行くと積翠寺温泉です。信玄の隠し湯の一つとも伝えられる温泉には2件の温泉宿が営業していました。
登山口の駐車場に車を停めミツバツツジの花に包まれた山道を登り始めます。落葉松の林の中をジグザグに登って行くと竪堀や曲輪、門の跡などが残っています。
「人は石垣人は城・・・」と甲斐節に謡われるように大きな城を持たなかった武田信玄の詰めの城であったこの城は、多くの枡形や門、竪堀を巧みに組み合わせた堅固な山城であったようです。
武田信玄生誕の地の石柱が建つ主郭は木立に覆われ展望は期待できません。それでも木立の先に富士山の頂が白い雪を被っていました。
主郭の先も竪堀や堀切が続いています。春色に包まれる登山道にはお馴染みのタチツボスミレのほかセンボンヤリやイカリソウの花を見付けることができます。
県道へ下って行く道を左に分け、暗い樹林帯の中をしばらく下ると竹の沢分岐です。道端には要害山や兜山のハイキングマップがありました。ここからは道を左に、石がうるさい沢沿いの道をひと登りすると深草観音です。
杉木立の参道の先には千手観音や十六羅漢が祀られています。垂直の鉄梯子の上には観音堂が祀られているようです。数日後には草深観音の例大祭が行われたくさんの信者が訪れると言います。
深草観音近くの道端でゆっくり昼食をしたのち積翠寺温泉へ下ることにします。暗い杉林の中を下って行く道は杉の落ち葉に包まれあまり歩く人もいないようです。
しばらく下ると明るく開けた林道にたどり着きます。ここからは春の光を浴びる明るい山里を深沢園地へと下って行くことになります。
日吉神社や瑞岩寺が建つ山里は根古屋と呼ばれるところで、要害城やその支城である熊城を守る武士の館が建っていたところです。また瑞岩寺は深草観音の本尊が安置されていると言います。
その先には積翠寺が建っています。武田信玄が産湯を使ったとされる井戸があるところで本堂脇の不動堂には武田信玄像が祀られていてました。
ここから車を停めた積翠寺温泉の駐車場までは僅かの舗装道路歩きが待っていました。
要害山に向かう前に桃源郷に立ち寄り満開の桃の花を楽しむことにしました。釈迦堂パーキングに車を停め階段をひと登りすると桃源郷です。
今を盛りに赤や白の桃の花が咲き乱れています。広く枝を張り出した桃の花、赤や白の花桃のほかキクモモも咲いています。近くに店を出しているお婆さんの話では花のあと摘果をして大きな桃に育てるとか、美味しい桃になるまでには大変な手間暇がかかるようです。
真っ赤な桃と菜の花が咲く桃畑からは甲府の街並みの先に白い雪を被った南アルプスのパノラマが広がっていました。甲府の街並みから続くなだらかな稜線の上には小楢山の双耳峰、その先には白い雪を被った金峰山と北奥千丈の頂も見付けることができました。