百蔵山は扇山の隣に小さく頭を持ち上げる頂で、大月市の秀麗富嶽十二景にも選ばれた富士山の好展望台として知られています。近くに人気の扇山があることから訪れるハイカーの数はあまり多くないようです。
猿倉駅から住宅が建ち並ぶ舗装道路を標識に従って登って行きます。富士山を背にしながらしばらく登ると市営グラウンドにたどり着きました。この付近も東京への通勤圏となっているのか、以前この山を訪れた時に比べ坂の上にもたくさんの家が建っているようです。
たどりついた市営グランドから、再び急な舗装道路を登って行きます。「ここを毎日歩く人はトレーニングをしなくても山に登れるね」と話しながら急な坂道を登って行きます。
民家が切れ、杉林の中を登って行くようになると右手に和田美術館が現れました。大きな門が建つ美術館は個人の家宝などを収蔵した美術館とか。しかしひっそりとして訪れる人も少ないようです。
和田美術館を過ぎるとようやく登山道らしくなります。杉に覆われた暗い道をジグザグに登っていくと正面が広く開けた展望台にたどり着きます。白く雪をかぶった富士山が目の前に飛び込んできました。山頂付近に笠雲が掛かっていたましたが雪を頂いた秀麗富嶽十二景の名前に値する富士山です。
富士山を眺めながら一休みしたのち、緩やかな稜線を40分ほど登っていく。朝晩は気温も低くなっているようで、所々に霜柱が立っています。
たどりついた百蔵山の山頂は広く開け、正面には白い雪を被った富士山。振り返ると杉木立の先に滝子山からハマイバ丸など小金沢山の稜線、大きな雁ガ腹摺山などを垣間見ることができみます。山頂では味噌スープを作ってもらいました。ブロックベーコンに美味しいみそ。味噌汁とは一味変わったスープです。体も温まり何とも言えない美味しい味です。
山頂で富士山を眺めながらゆっくり1時間。富谷の分岐へ急な坂道を下って行くことにします。コタラ山までは急な坂が続きます。乾燥注意報が出ているためか、土も乾いていて滑りそうです。
富谷分岐から先に進む道は扇山へ登って行く道です。百蔵山から扇山に向かった時はこの道を登ったのでしょうが当時の記憶はありません。小さな標柱の建つ分岐を右に折れ宮谷白山遺跡へ下って行きます。登山道は厚く枯葉が敷き詰められ、あまり人が入っていない感じでです。枯葉に注意しながら杉林の中をくだること40分ほど。川が見えてきたと思ったらすぐに林道にたどり着きました。
しばらく林道を歩くと畑の中の舗装道路です。どこの山でも同じでしょうが人里が近ずくと道に迷いそうになるものです。途中で地元の人の道を尋ながら奇勝という猿橋にたどり着きました。
猿橋は橋脚を使わず両岸からはみ出した四層のはね木によって支えられている珍しい構造の橋です。橋の傍には発電所の水路という歴史を感じさせる第一号水路橋がありました。
青い水が流れる桂川の美しい渓谷を眺めたのち、30分位歩くと今朝出発した猿橋駅にたどり着きました。