甲州高尾山~甲府の町と南アルプスを一望する展望の稜線~ 


標高
甲州高尾山 1,091.9m
山域
中央線沿線
登山日
1993年3月14日(日)
歩程
合計 3:50
歩行距離
7.5km
標高差
169m
累積標高差
380m、-829m
登山口
大瀧不動mapon
交通機関
 中央本線勝沼駅、 タクシー
登山コース
大瀧不動 -0:15→ 展望台 -0:55→ 甲州高尾山 -1:35→ 大善寺 -1:05→ JR勝沼駅
コースmap
甲州高尾山 登山コース

 

甲府へと向かう中央本線の列車が甲府盆地に差し掛かる新大日影トンネル。このトンネルの上には甲州高尾山が小さな頂をもたげています。ハイカーで賑わう相州の高尾山に比べ、訪れる人も少ない静かな山歩きができる山です。明るい尾根道からは甲府盆地の上に広がる南アルプスの展望が楽しめ、南西の山麓にはブドウ寺として親しまれている国宝の大善寺があると言います。

今回は電車を利用しての山行。中央線の高尾駅から甲府行きの普通列車に乗り換えます。我々と同じようないでたちをしたハイカーの目立つ車内はかなり混雑していました。たどり着いた勝沼の駅前にはタクシーが2、3台、客待ちをしています。目指す大瀧不動へはここから凡そ1時間半の車道歩きとか。ここはタクシーを利用して登山口に向かうことにしました。

山行の記録

 大瀧不動~甲州高尾山

数日前に降ったという雪が残る林道を登って行くと、大瀧不動の赤い鳥居の前にたどり着きました。すでに20名ほどのパーティが休憩をしています。急な石段を登って行くと大瀧不動の真赤な本堂。落差150メートルという雄滝と雌滝。右手の滝は神洗滝とか。折からの寒さで真っ白な氷瀑となっていました。

登山道は右手の杉林の中を尾根に向かって登って行きます。しばらく登ると広い林道に飛び出します。これを右手に進むと東屋の建つ展望台にたどり着きました。ここからは甲府盆地の上に白く雪を被った南アルプス。右手には奥秩父の北奥千丈岳や金峰山などの峰々。何時までも見飽きない景色が目の前に広がっていました。

真っ白に結氷した雄滝、雌滝
白く雪を抱く南アルプスの峰々

展望台からは林道をしばらく下って行きます。やがて登山道は林道と分かれ左手の雑木林の斜面を尾根に。北斜面になるのか登山道は残雪に覆われています。冬枯れの木々の間より南アルプスの山並みを眺めながらアップダウンを繰り返すと、甲州高尾山の山頂にたどり着きました。木々に覆われた山頂からは、甲府側の展望が開けています。ここから望む勝沼の丘陵は、何やら女性のヌードを思わせるような形をしています。甲斐国史にも「山勢婦女ノ臥容ニ似タリ・・・」というように、昔の人もこの形を女性の寝姿にたとえていたようです。

梅の花が咲く大善寺
梅の古木は300歳とか

 甲州高尾山~大善寺~勝沼駅

山頂での昼食に一時を過ごした後、山麓の大善寺へ下ることにします。急な雑木林の中を下って行くと先程分かれた林道に出会います。ここから赤松の混じる雑木林の中を下って行くと送電塔の建つ広場。ここから更に尾根道を下って行くと、やがて勝沼のブドウ畑の裏にたどり着きました。

たどり着いた大善寺は真言宗の古刹で、鎌倉時代の創建という薬師堂は国宝に指定されているとか。梅の花が満開の山門を登って行くと、古びた薬師堂がひっそりと建っています。帰りがけに立ち寄った庫裏に登山靴を脱ぎ、文化財となっている石庭を見て行くこととします。中庭の梅の古木は今が見頃。樹齢はおそらく300才を越えていると言います。

大善寺からは勝沼駅へ向かうことにします。国道の両側にはブドウの観光園が店を並べていますが、まだ季節外れで立ち寄る人影もありません。閑散とした田舎道をおよそ1時間。今朝、電車を降りた勝沼の駅にたどり着いたのは4時半近くになっていました。

その他のコース・山行記録
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