会の山行で中央線の高畑山と倉岳山に行きました。高畑山と倉岳山は扇山の南に位置する山で、大月市が選定した秀麗富嶽十二景の一つにも数えられる山です。山登りを始めたころに訪れたことがある山ですが、往時の記憶はあまり残っていませんでした。
JR線を乗り継ぎ鳥沢の駅へ。この時期、中央線沿線の山々は人気があるのか高尾からはたくさんのハイカーが乗り込んできました。
鳥沢の駅前から国道20号線を少し戻ったところで中央線の線路を越え、桂川に架かる橋を渡ります。晴れ渡った青空の下には雁腹摺山やハマイバ丸など中央線沿線の山々が秋の日を浴びていました。
たどり着いた登山口からは、枯れ葉の降り積もる登山道を緩やかに登って行きます。すでに登山道は晩秋の色を濃くし、暗い杉林の中を登っていく道は少し寒さを感じるほどです。沢沿いの暗い道をしばらく登ると高畑山への分岐点にたどり着きました。
分岐点で小休止をしたのち、右手の稜線に向かい急な登りが始まります。ジグザグを切りながら高度を上げると視界が開け、枯れ残った梢の先に高畑山の稜線を見付けることができます。尾根を巻くように登山道は浅い沢に向かい小さく下って行きます。この付近は高畑仙人と言われる老人が住んでいたと伝えられているところですが、今はその痕跡もありません。
やがて登山道は高畑山に向かっての急な登りになります。雑木林の中の登りにひと汗を流すと小さな高畑山の山頂にたどり着きました。ヒノキの木が伸びすぎて少しうるさいものの、山頂からは白い雪を被った富士山がその姿を見せていました。
山頂はかなり多くのハイカーで賑わっています。我々も山頂の一角に腰をおろして昼食にしました。今日はホウトウ鍋。冬の低山では暖かいものを作りながらの山行もまた良いものです。
やがて登山道は稜線上の分岐点にたどり着きました。右にしばらく進むと真富士神社の小さな社が祀られています。目の前には真富士峠の先に白い雪を被った富士山がそびてていました。
ホウトウ鍋でお腹も満足。白い雪を被る富士山に別れを告げて倉岳山に向かうことにします。高畑山からの下りは急な坂道です。穴路峠から登ってくる人も多いようですが、かなりきつそうな道です。
鞍部から小さく登り返したところが天神山です。目の前は視界が広く開け雁腹摺山やハマイバ丸の頂が秋空の下にそびえています。やはり季節は進んでいるようで、すでに紅葉は終わりを迎え寒そうな冬の装いを感じる展望です。
穴路峠からは雑木林の稜線を登って行きます。落ち葉を踏みしめながら坂道を登って行くと倉岳山の山頂です。木立に覆われているものの南側の展望が開け山頂を雲に隠した富士山がその姿を見せてくれました。
山頂で一休みしたのち雑木林の中を下って行きます。立野峠からは道を左に折れ梁川駅へと下って行きます。途中、ガイドブックなどに紹介されているトチノキの巨木がありました。沢をはさんだ斜面の中腹にありますが見上げるほどの高さでした。
天気にも恵まれまたホウトウ鍋もそれなりに好評だったようです。山梨出身の方がいらっしゃるようで、ホウトウに卵を入れると味がまろやかになるとか。今度機会があったならやってみたいものです。