大月駅駐車場9:01-大月駅9:26=(富士急)=禾生駅9:36
禾生駅9:40-(1h00m)-田野倉分岐680m付近 10:40/55-(0h40m)-九鬼山11:35-(0h15m)-902m付近(昼食 11:50/12:40-(1h20m)-馬立山14:00/15-(1h05m)-菊花山15:20-(0h45m)-大月駅駐車場16:05
大月の近くには岩殿山や扇山など人気のハイキングコースがあるなか、九鬼山は訪れる人も少ない静かな山歩きが楽しめるところです。
大月駅近くの駐車場に車を停め、富士急の禾生駅を目指します。中央線から直通運転されている電車も普通電車は大月駅が始発です。
中央線のリニアモーターカーに実験線が頭上を横切っています。間もなく建設が具体化されるようで東京から大阪を約1時間、時速500kmで走るリニア中央新幹はこの実験線区間を走るようです。
国道139号線を右に折れると集落の外れには古い歴史を伝える庚申塚や二十三夜塚が祀られていました。登山道は小さな愛宕神社の脇から落ち葉に包まれた坂道を登って行きます。やがて視界が開けると高川岳の下から続くリニア実験線、その先には三ツ峠の頂が冬晴れの明るい日を浴びていました。
たどり着いた稜線は田野口駅から登ってくる道を合わせるところです。開けた展望の先には大きな富士山が白い雪を被ってそびえています。ここから富士山まではおよそ30km、白く光る斜面には吹きつける風に舞い上がる雪煙りも見えています。
ここから九鬼山の山頂までは明るい樹林帯の中を登る急坂です。道標にも「これより急坂 要注意」と書かれています。関東周辺では12月以降、纏まった雨が降らず乾燥注意報が1ヶ月以上も続いています。登山道もカラカラに乾燥して登るたびにザラザラと滑ってしまいそうです。
やがて右手に天狗岩への分岐です。ここは展望の開ける小さな岩で、正面には大きな三ツ峠、その右には高川山、その右には滝子山から小金沢連嶺の稜線が続いていました。
登りもひと段落すると富士見平です。目の前は大きく開け富士山が見えるようですがあいにく雲が山頂を包み始めています。
たどり着いた山頂には神奈川の7~8人の初老のパーティが昼食の最中です。ここからは北側の展望が広がっています。いやでも目立つ禿げ上がった稜線は白谷丸、それから続くなだらかな稜線の先には思いの外大きな滝子山がそびえています。高川山の先に白く光る頂は南アルプスの地蔵岳でしょうか。
ベンチのある山頂は展望には恵まれているものの日当たりは少ないようです。我々は山頂から少し下った登山道わきで昼食にしました。
冬枯れの雑木林の中を下って行く登山道は土が乾ききっているためか滑りやすい道です。右側が沢に向かって切れ落ちているところもありました。
しばらく下った広場は紺屋ノ休場と呼ばれるところです。目の前が広く開けここからも小金沢連嶺のなだらかな稜線を眺めることができます。やがて登山道は田野倉駅へと下って行く道を左に分け札金峠へと下って行きます。
札金峠は田野倉と朝日小沢の集落を結ぶ峠道でしたが道が付け直されたようで消えかけた小さな道標だけが建っているところです。
ここから馬立山へは歩く人も多くないようです。所々消えかけたふみあとには倒木も多く、木の根や枝につかまりながらの急坂が続いています。小さなピークから左に折れるふみあとは田野倉へと下って行く道、細い稜線をさらにひと登りすると木立に覆われた馬立山の山頂です。小さな山頂には山頂を示す道標と角が欠けた境界石が立っていました。
ここからは猿橋へと向かう道を下って行きます。やがて登山道は暗い杉林の中の分岐点へ。右に進む道は御前山、神楽山を越えて猿橋へ。我々は菊花山から大月を目指すことにしました。
ゆるやかに下って行く道は笹に覆われた鞍部へ。1/25000地形図では沢井の集落へと下って行く道があるようですが見当たりません。やがて登山道は菊花山への登り返しになります。
菊花山の直下は露岩に覆われた小さな岩場です。たどり着いた山頂は広く開けたところで、目の前には岩殿山、中央自動車道の先には百蔵山や扇山、その先には権現山の稜線を見付けることができます。振り返ると黒いシルエットとなった馬立山、その先の富士山は雲の中に姿を隠していました。
菊名山からは急な下りが始まります。ここも土が乾きすぎているためか思いのほか滑る坂道でした。
九鬼山には桃太郎伝説があると言います。百蔵山の桃から産まれた桃太郎が猿橋のサル、上野原犬目のイヌ、鳥沢のキジを引き連れ九鬼山の鬼を退治したとか、全国にも数ある桃太郎話の一つでしょうがここにも桃太郎伝説があったようです。