朝比奈バス停9:45~熊野神社10:05/10~朝比奈切通10:25~梶原大刀洗水10:50~十二所神社11:10/45~瑞泉寺コース12:10~貝吹地蔵12:15~天園12:55/13:15~獅子舞谷~永福寺跡13:55~鎌倉宮14:05/10~鶴岡八幡宮14:30~鎌倉駅14:45
山の会の山行は鎌倉の朝比奈切通と番場ヶ谷、獅子舞のもみじを楽しもうということで気心の知れた仲間と一緒の気軽なハイキングです。天気予報では関東周辺は曇りや小雨模様、鎌倉の周辺だけが青空も期待できそうです。
京急の金沢八景駅で待ち合わせしたのち大船行きのバスで朝比奈バス停に向かうことにします。金沢八景駅の駅前は金沢シーサイドラインの新駅建設に伴う再開発で仮囲いフェンスが張り巡らされ重機の音が辺りに響ていました。
たどり着いた朝比奈バス停は朝比奈トンネルの手前です。相武トンネルとも言われるようにここは武蔵の国と相模の国の境となる稜線が通るところです。
バス停から少し戻ると山道が始まります。朝比奈切通は鎌倉七口の一つで、六浦と鎌倉を結ぶ物資を運んだ道です。
シダが目立つ暗い道を登って行くとやぐらと呼ばれる岩穴が幾つか、土地の少ない鎌倉では僧侶や武士の墓として彫られてものと言います。
左手に曲がる道の先には熊野神社が祀られていました。ここは熊野古道に似ている所とネット上に記事がありましたが暗い杉の林の中の社は歴史を感じさせるところです。でも社殿は平成元年に改築されたかなり新しいもののようです。
見上げる岩壁が迫るところが大切通しと呼ばれる切通の最高点、岩壁には摩崖仏が彫られています。鎌倉幕府第三代執権・北条泰時が鎌倉と六浦を結ぶ道として開削したところです。鎌倉幕府侍所の初代別当となった和田義盛の三男、朝比奈三郎義秀がその強力で一夜にして切り開いたとの伝説が伝えられるところです。
ここからは雨水に濡れた石畳の道を下って行きます。見上げる斜面の上には色付き始めた紅葉が、12月にもかかわらず異常なまでに気温が上がっているようですが紅葉の遅い鎌倉にも秋は確実にやってきているようです。
朝比奈切通の出口には三郎の滝と呼ばれる小さな滝、その先には梶原太刀洗水があります。鎌倉幕府の創成期、上総介広常に謀反の疑いを持った頼朝は御家人の梶原景時に命じて、双六に興じていた広常を謀殺させたと言われています。この湧水は広常を討った刀を洗ったと伝えられているところです。
十二所神社の境内で少し早い昼食をとったのち天園へ向かうことにします。予定では番場ヶ谷の紅葉を眺めながら天園に登ろうと言う計画でしたが、昨日の雨でぬれた沢を歩くのは少し辛そうです。このため番場ヶ谷の手前から天園コースへと登って行くことにしました。
小さな道標に導かれ住宅地の裏から山道を登って行きます。ひと登りすると天園から下ってくるハイキングコースに出会うことになります。左手に進むと瑞泉寺へ、我々は右手の道を天園へと登って行くことにします。
ハイキングコース沿いにはやぐら群や北条御一門御廟所の石柱が建っています。さらに進むと貝吹地蔵、新田義貞の鎌倉攻めで貝を吹き鳴らし新田勢が攻め寄せたことを知らせたと伝えられています。
緩やかに登って行くハイキングコースは天園休憩所の傍にたどり着きました。天園にはかつて峠の茶屋がありましたがすでに取り壊され開けた広場は展望を楽しむことができるところです。
小さな岩場を越えると獅子舞谷への下りです。平日にもかかわらず、紅葉を目当てに訪れるハイカーで獅子舞谷は混雑しています。海が近い鎌倉では台風の塩害でもみじの色付きが心配されていましたが目の前には真っ赤な紅葉が広がっていました。
ここは今がその色付きの最盛期を迎えようとしているところでしょうか。明るい秋の光を浴びて艶やかさを競うもみじはこの時期の鎌倉のハイライトと言っても良い所です。週末には寒気もやってくるということで、この数日が見ごろと言うことなのでしょう。
真っ赤な紅葉を楽しみながら獅子舞谷を下って行くと亀ヶ淵、さらに下ると永福寺跡に造られた庭園です。
ここからは鎌倉を散策する観光客も行き交うところ、鶴岡八幡宮から小町通を歩き鎌倉駅にたどり着きました。鎌倉の紅葉をたどる軽いハイキング、機会があれば番場ヶ谷も歩きたいなどと話しながら秋の鎌倉を満喫した一日でした。