箱根の外輪山の一つ矢倉岳は足柄峠から続く尾根道の先に小さく頭を持ち上げる山です。開けた山頂から目の前にそびえる富士山から箱根の山々、相模湾の先には房総半島も見ることができる展望の山です。
小田急線でたどり着いた新松田から箱根登山バスに乗って登山口である矢倉沢へ。途中の車窓からは、白い雪を被った富士山が顔を覗かしていました。
矢倉沢の空き地で準備体操をしたのち、青空の下にそびえる矢倉岳を目指し出発です。登山口の石祠から杉林の中の舗装道路を登って行きます。しばらく登ると山道らしくなり、落ち葉が敷き詰められた登山道が始まります。やはり冬でも登り出すと額には汗がにじみ出してきます。
途中の道端で小休止したのち、再び冬枯れの山道を登って行きます。すっかり葉を落とした枝先からは遠くに相模湾が見え隠れしていました。やがて登りが緩やかになって来たと思ったら山頂です。
山頂は広く開けた草原で、目の前には箱根の山々。残念ながら富士山は5合目付近から上を雲に隠していました。箱根山の右には金時山、さらにその右には愛鷹山、富士山の手前には茶色い山肌の三国山や不老山が見えています。
早速お汁粉の用意です。手際よく餅を水から入れて、美味しいお汁粉が出来上がりました。今年になって山頂でのお汁粉などは3回目、お汁粉も色々作り方があり、味もそれぞれ美味しいものです。
十数年前にこの山頂を訪れた時は、山頂からハングライダーが飛んでいた記憶が残っています。しかし今は中止になったようで、出発点の形跡も見当たりません。
体も温まった所で山伏平に向けて下って行くことにします。山頂から霜が融けて滑りそうな急坂。一時間ほど杉や雑木林の中を歩いて万葉公園にたどり着きました。石碑などにはこの地にちなんだ万葉の詩が刻まれていました。
少し雪が残った車道をたどると旧足柄道の関所跡です。古くから足柄道と呼ばれ東国と西国を結ぶ交通の要衝としてにぎわったところです。峠跡に建つ関所の門は映画のセットをここに移設したものと言います。
峠から少し戻って足柄古道へ。暖かい箱根とは言え1月は寒いもので、車道に出るころには雪がちらほら。矢倉岳の山頂は雪でぼんやり霞んでいました。
地蔵堂にたどり着くとバスの発車までは少し時間があります。近くの万葉のうどんというお店やさんで暖かいうどんを賞味して帰路につきました。