坂田の金時の伝説が今に残る金時山は、観光地である箱根の真中にあることもあって、何時も家族連れなどたくさんのハイカーでにぎわう山です。また山頂からは正面に大きな富士山を楽しむことができる山です。富士山の好展望台は幾つかあります。三ツ峠山、パノラマ台、愛鷹山、伊豆の発端丈山など、この山頂もまたそのような展望台の一つに数えることができるところです。
文化に日は好天が約束されている特異日とか。今日は孫たちを連れての金時山の山頂を訪ねてみました。
金時神社脇の駐車場に車を停め、境内に続く登山道を登り始めます。休日のためか、たくさんの家族連れが金時山の山頂を目指しています。暗いヒノキ林の中を登って行く登山道はかなり石の多い道です。しばらく登ったところには金時の宿り岩と言う大きな岩屋がありました。
この付近からは登山道の勾配も幾分急になってきます。登山道にはヒノキの根や岩などが張り出し、小さな子供にとっては結構歩き難い山道です。やがてミズナラなどの明るい雑木林の中をジグザグに登って行くようになると、右手の視界が開けてきます。目の前にはススキの草原が広がる仙石原。その上には台ヶ岳や箱根山がその姿を見せてくれます。明るくなった登山道にはあまり花の数は多くないものの、秋の野原を彩るリンドウなどが咲いていました。やがて登山道は矢倉沢峠から登ってくる道を合わせた稜線の上にたどり着きます。小さな広場にはたくさんのハイカーが休息を楽しんでいました。
ここからは明るい雑木林の中を登って行きます。登るに従い稜線は細くなり、所々に露岩が現れてきました。やがて喧騒が近づくと金時山の山頂です。金時茶屋など2件の茶店が軒を並べる山頂は広く開けたところです。目の前には少し雲を被っているものの大きな富士山、左手には仙石原、芦ノ湖、黒いシルエットとなって連なる箱根の山々の展望が目を楽しませてくれます。
山頂で昼食の後、乙女峠へと下って行くことにします。明るい稜線は痩せたところもありますが心地良いヒルウォークを楽しむことができる道です。
乙女峠手前のベンチで最後の小休止。見上げると金時山から明神ヶ岳、明星ヶ岳へと続く長い稜線を見渡すことができます。目を右に移すと仙石原と台ヶ岳、その奥には箱根山。その手前には大湧谷が白い噴煙を上げていました。
乙女峠からは紅葉に包まれた雑木林の中をジグザグに下って行きます。思いのほか長い下りにそろそろ飽きはじめる頃、ようやく乙女峠下の登山口にたどり着きました。ここから車を停めた駐車場までは20分ほどの車道歩きです。