織姫観光駐車場10:05~常念寺登山口10:15~観音山10:35/40~須永山~つる山~富士見岩11:10~天狗山11:55/12:25~柴山分岐12:55~両崖山13:05/15~織姫神社14:30~織姫観光駐車場14:40
織姫神社から両崖山、行道山へと続くなだらかな稜線は足利アルプスと呼ばれるハイキングコースです。
またこのコースは関東ふれあいの道・歴史のまちを望むみちにも指定されているところです。行道山の登山口へのバスの便がよくないので、織姫神社近くの常念寺から天狗山、両崖山を経て織姫神社に戻ることにします。
たどり着いた織姫神社の観光駐車場に車を停め常念寺へ、急な石段の傍に天狗山ハイキングコースの案内板がありました。
急な石段を登ると常念寺の子安観音堂、近くにはたくさんの庚申塔や石仏が祀られています。
ここからは明るい稜線の登りが始まります。小さなこぶは観音山、須永山、つる山、足利百名山の頂です。
登山道わきにはゴジラ岩の案内板があります。映画ゴジラの監督の一声で名付けられたとものとか、確かゴジラの背と言われればそのようにも見える岩でした。
明るい斜面を登っていくと焼け焦げた松の木が目立つようになります。ここ足利で大規模な山火事があったのは2年前の2月21日、両崖山近くの東屋付近から発生した山火事は折から続いていた乾燥と赤城おろしと言われる強風などにより燃え広がり鎮火までには23日、焼失面積は東京ドーム35個に相当する167ヘクタールに及んだと言います。まさにこの稜線は悲惨な山火事の現場というところです。
火災は下草や枯れ葉などにより燃え広がったようで、ほとんど火災の影響を受けていない木もありますが枯れた木は黒く炭化しているものも多いようです。
富士見岩に立ち寄りましたが晴れているものの春が近づいているのか視界は今一つ、大山から続く丹沢の稜線は見えていましたが富士山は白い雲の中でした。
一度小さく下って登り返すと天狗山です。祠が祀られた山頂からは広い展望を楽しむことができます。北関東道を挟んだ北側には大岩山の頂、その先には雪を被った男体山や大真子山、女峰山が見えています。大岩山から左に続く稜線には赤城山の山頂も見えていました。
南側は霞んだ都心のビル群、少し離れた霞んだ空の下にはスカイツリーの尖塔も見えているようでした。登山道の整備をしていた地元のおじいさんに天狗山の木札をいただきました。気持ちがあれば祠の賽銭箱にお賽銭をと言っていました。
足利の山火事は両崖山近く、柴山の東屋から発生したとか。ハイカーのたばこの不始末が原因と言います。両崖山、天狗山の稜線などを中心に燃え広がった火は民家近くまで迫り避難指示が出たと言います。また北関東自動車道も一時通行止めにもなったと言います。
そのためこの山域では火気は一切禁止、この山頂にも監視カメラが設置されていました。山頂標識の下には火守と書かれた天狗のプレートが打ち付けられていました。
天狗山からは両崖山へと向かいます。山頂直下は岩場の下り、固定ロープも張られていますが思いのほか気を遣う下りです。下り切ったところで気が付きましたが巻き道がったようです。雨や雪の時などは巻き道を使ったほうが良さそうなところでした。
急な登り返しに息を切らせると柴山の分岐です。案内などはないようですが山火事の火元は右手展望台の東屋のようです。
ここから僅かに下ると両崖山への分岐、左手の道は大岩山へと続く巻き道のようです。踏みあとのような道を直登すると両崖山の山頂標識があります。
ここは両崖山城(足利城)の本丸跡で曲輪や堀切も残っています。本丸曲輪跡には御嶽山神社の社や石塔、大きな大黒様の石像も祀られていました。
その傍には火災で焼失した天満宮の社です。両崖山城の城主、長尾顕長は名刀「山姥切国広(やまんばぎりくにひろ)」を打たせたことから、刀剣乱舞の聖地として多くのファンが訪れていたところと言います。
ここから下る石段は御嶽神社の表参道になるのでしょう、鳥居の傍には消失を免れた稲荷神社やたくさんの石祠が祀られています。
足利城の案内板には「築城は、平安時代後期で、籐性足利氏の足利成行の時と言われています。戦国時代には足利長尾氏の長尾景長が岩井山城から移りました。慶長18年(1590年)小田原北条氏に味方した長尾顕長の没落によりその役目を終わった」と書かれていました。
ここからは明るい稜線の下りです。目の間には渡良瀬川や足利の町並みなど広い展望を楽しむことができます。しばらく下ると右手に西渓園に下っていく道が分かれていました。
この付近の稜線も山火事の跡が残るところです。新しく作られた展望デッキも火災で焼失したものでクラウドファンデングを利用し復旧したといいます。多くの人の努力で山火事からの復旧も進んでいるということでしょう。
しばらく下ると織姫公園です。つり橋から続く遊歩道は暫くするとつつじの花のトンネルになるところです。これを目当てに訪れる人も多いのでしょう。
たどり着いた織姫神社の赤い社殿、その傍に遊歩百選の案内板がありました。あまり見かけない遊歩百選は読売新聞の50周年事業として2002年に選考されたもので、全国の風光明媚な歩道などのある地域が選ばれています。足利では自然公園と三名所としてこの自然公園ハイキングコース、足利学校やばんな寺、浄因寺などが選定されているとようです。
境内には愛の鐘がありました。織姫の名にちなんで若い恋人が訪れるところのようで玉垣の傍には愛のカギがかけられていました。また急な石段のわきには緑や黄色、紫色の鳥居が立ち並ぶ参道もあります。この織姫神社は色々と新しい取り組みが多い神社でした。
アプローチが長い北関東の山域、背丈は低いものの冬でも雪の心配もなく登ることができるハイキングコースも多いところです。暫くするとアカヤシオの咲く季節、機会があればアカヤシオを目当てのハイキングなども良いものと思っています。