日本百名山の一つに名前を連ねる筑波山。東の筑波、西の富士と言われ古くから多くの人に親しまれてきた山です。ケーブルカーやロープウェイが山頂まで通じていることもあり、小さな子供からお年よりまで、気軽なハイキングの山として、何時もたくさんのハイカーや観光客でにぎわっている山です。標高900mにも満たないこともあって、暑い夏よりはむしろ紅葉の秋や、冬枯れで木の葉が落ちてしまった冬場にこそ訪ねてみたい山の一つです。
筑波山ロープウェイの広い駐車場に車を停め、女体山を目指すことにします。駐車場からの登り始めは急な階段が続きますがそれもひと登り。やがて登山道は雑木林の中を緩やかに登る道になります。露岩に覆われた道は登山道の中間点である弁慶茶屋に向かって登って行きます。弁慶茶屋からは弁慶ノ七戻り岩、高天ヶ原、体内潜りなどの名前が付けられた奇岩が目を楽しませてくれます。たどり着いた小尾根の上で小休止。冬枯れの梢の先には女体山の山頂を指呼の間に望むことができます。
小休止の後、出船入り船、北斗岩、裏面大黒などの奇岩の間を登って行きます。出船入船はそのような形に見えるものの、裏面大黒は大きな袋を担いだ大黒天の後ろ姿とも見ますが今ひとつ判り難い岩。この付近からは登山道にも雪が積もっていました。山頂直下の急な階段は氷が張り付き、かなり滑り易くなっていました。
たどり着いた女体山の山頂からは目の前に男体山。かなり気温は低いようですが、薄い霞に覆われ微かに霞ヶ浦が見えるだけ。富士山や日光の山々はおろか東京湾さえもその姿を見せてくれません。
セキレイ茶屋側のベンチで昼食の後、男体山に向かおうとししました。しかし男体山直下の斜面は白い雪が張り付いているようです。今日は大人しくつつじか丘に戻ることにしました。女体山から滑りやすい急な坂道をしばらく下ると出船入り船です。ここからは雪も少なくなり、ほどなく弁慶茶屋にたどり着きました。
茶店で甘酒を飲みながら一休み。ここのご主人の話では、筑波山は何度も訪れる人が多い山とか。中には1,000回を越える人が何人もいると言います。小屋の屋根裏には何百回登山記念と書かれた記念の札が所狭しと貼ってありました。