何時もハイカーでにぎわう筑波山。多くのハイカーは交通の便が良いこともあり筑波神社コースや、つつじヶ丘コースを利用しているようです。しかし筑波山の北側には旧ユースホステルコースやキャンプ場コースなどの静かな登山道も開かれています。
今回利用する薬王院コースも訪れる人も少ない静かなコースの一つで、薬王院から坊主山の稜線をたどり山頂を目指すコースです。延長は2.3km。幾つか開かれている登山コースの中では最も距離が長いコースと言います。
登山口は薬王院の墓地の脇にあります。階段をひと登りすると、明るい雑木林の中を登って行く登山道が始まります。しばらく登って行くと登山道は筑波山の山麓をめぐる林道にたどり着きます。
ここからは急な登山道が始まります。雑木林の中を登って行く登山道はよく整備されていますが、所々に木の階段が続く急な登りです。延々と続く階段に息を切らせながら稜線に向かい汗を流します。
左手、針葉樹の中の小さな頂きは筑波隠しと言われる坊主山です。山麓から見上げると筑波山の山頂を隠すことから名付けられたのでしょうが、男体山、女体山に続く筑波山第3の頂きと言います。
ここから御幸ヶ原までは明るい雑木林の中をたどる登山道です。紅葉した梢の先には男体山の頂きが見え隠れしていました。
緩やかな登山道を登っていくと右手から自然探求路の道を合わせます。この道は男体山をめぐる1周1.5kmほどの探求路で、筑波山の自然を紹介した案内板などが整備されている道です。
筑波山に自生する植物などを紹介した案内板などを眺めながら、緩やかな登山道を登っていきます。やがて喧騒が近づいてくるとめざす御幸平にたどり着きました。御幸平はロープウェイやケーブルカーなどで登ってきた観光客などもあわせ、たくさんの人であふれていました。
土産物屋脇のベンチに腰をおろし昼食にしました。目の前には散りかけた紅葉を山肌に残した男体山がそびえています。山頂までは15分ほどの登りですが喧騒の山頂を訪ねる気にはなれそうもありません。
帰りは往路をたどり薬王院へ戻ることにしました。途中、踏み跡をたどり坊主山の山頂を踏んで行くことにしました。暗い針葉樹の林の中の山頂には幾つかの境界点の石柱と4等三角点がありました。
息を切らせながら登った階段も下りとなれば楽なものです。急な階段に気を付けながら下ると薬王院の駐車場まではわずかな下りを残すだけです。