筑波山の北側に続く低い稜線上にはきのこ山や足尾山の山があります。関東ふれあいの道が整備された明るい稜線ですが、この上を林道が通っていることからハイキングの対象としてより、ツーリングや開けた地形を利用してのハングライダーなどで楽しむ若者に人気の山域です。
その中にあって山頂に加波山神社が祀られた加波山は山岳信仰の山として多くの参拝者がを集める所です。
足尾山から関東ふれあいの道が通る稜線を北へ。林道道脇にはウィンドパワーつくばの大きな風車が建っていました。加波山事件に因んだ自由の楷の石碑の傍から加波山へ登って行く道が始まります。
登山道には山岳信仰の臭いを残す巨石・奇岩を見付けることができます。旗立岩と名付けられた大岩は、加波山事件で圧制政府の打倒を謀る急進派が「一死報国」の旗を立てた所と言います。
暗い杉林の稜線を進むと加波山神社本宮、巨石・奇岩を眺めながらさらに進むと加波山の山頂である加波山神社本殿の社の前にたどり着きました。小さな社の前には三角点をがありました。
加波山は山頂周辺にいくつもの神社が祀られている所です。もともと加波山大権現というひとつの神社だったものが明治以降、本宮、中宮、親宮の3つの神社に分かれたと言います。中宮が加波山神社、本宮が加波山三枝祇神社本宮(加波山神社本宮)、親宮が加波山三枝祇神社親宮(加波山神社親宮)となっています。またこの先にはきせる祭りで知られるたばこ神社の本殿があります。
多くの摂社が祀られる神社は珍しくないようですが、このような狭い山域に多くの神社が祀られているのも珍しいものです。
冬枯れの梢に先に真壁周辺の山里を眺めながら関東ふれあいの道が通る林道を北へ。視界の開ける所にはハングライダーの出発所があり、三角形の大きな羽を広げた期待が道端に並べられていました。
関東ふれあいの道の休憩所があるきのこ山は、林道からわずかに入ってところです。目立たない山頂には山頂を示す掲示板があるもののゴミなども捨てられたところです。ササやぶを少し入ると肩が欠けた三角点がありました。
足尾山は足尾神社の奥社祀られた明るく開けた頂きです。醍醐天皇が夢枕でこの神社を知り祈願すると足の病が全治したと伝えられたことから、足の病に霊験があるとされ、加波山とともに山岳宗教の山として多くの参拝者が訪れたところと言います。しかし明治以降は荒廃が進み、現在は荒れた拝殿が残っているだけです。
足尾神社入り口から杉林の中を緩やかに登ると拝殿跡、草鞋、靴、義足などが多数奉納されています。拝殿の裏からは明るい急坂が始まります。すぐに35丁目の道標、階段になった急坂は36丁目で山頂にたどり着きました。小さな石垣の上には足尾神社の奥社、その手前には三角点がありました。
帰りには風返峠に戻りここにあるという三角点を見に行くことにします。以前にもこの三角点を探しに来ましたが見付けることができなかった所です。風返峠周辺を探してみましたがやはり今回も見つける事が出来ませんでした。
国土地理院の点の記はあるもののかなり古い記録であまり正確ではないようです。風返峠も点の記が書かれたのち、表筑波スカイラインが開かれたりつつじヶ丘ロープウェイの駐車場が整備されたりで大きく変わっているようです。
今回の山行で見付けることができた三角点は3つ、1/25000地形図上で三角点を確認できても、実際に三角点を見付けることは難しいものです。読図画間違っていることもあるでしょうが、三角点場なくなったり工事などで棄損されてしまったり、またたくさんのハイカーが訪れることで山頂付近の土砂が流出し、その結果三角点が無くなってしまったこともあるようです。日光白根山や扇山など盤石だけが残っている三角点も多くあります。ハイカーの一人として、山を傷つけない登山をしたいものと思っています。