秩父観音霊場12番の寺は野坂寺です。山門は重層入母屋造りで左右の花頭窓には十王仏が安置されています。山門の中央にはあずかり観音があります。「右側は怒り・腹立ちを預け平常心に、中央は病気・痛みを預け楽しい日々に、左は煩い、悩みを預け安らぎの心に」の顔をしていると言います。
境内の縁起によると「甲斐の商人が商いに来て秩父の山中で賊に会い、命も危ないとき一真に観世音を唱えると盗難を免れた・・・そののち甲斐より正観音を当所に安置しこの寺を建立した」と書かれていました。
境内には子授け観音と呑龍上人が祀られた呑龍堂があります。この観音様にお願いし子供が授かったら呑龍上人に子供の無事成長をお願いすると言います。
六観音は六道輪廻の思想に基づき、六種の観音が六道に迷う衆生を救うという考えから生まれたもの。地獄道 - 聖観音、餓鬼道 - 千手観音、畜生道 - 馬頭観音、修羅道 - 十一面観音、人道 - 准胝観音、天道 - 如意輪観音とされる。天台系では准胝観音の代わりに不空羂索観音を加えて六観音とする。
源頼朝によって発願され、源実朝が西国の霊場を模範として制定したと伝えられてる33ヶ所の観音霊場。神奈川・埼玉・東京・群馬・栃木・茨城・千葉にかけてある札所を巡拝すると1,300キロメートルになると言う。