秩父観音霊場14番の寺は今宮坊です。長岳(永観2年984年寂)が大宮山満光寺として創建、その後長岳山正覚院金剛寺と改めた修験寺院だったと言います。江戸時代には今宮神社とともに今宮坊と称し神仏習合の一大霊場となりました。
明治の神仏分離令で、秩父三十四ヶ所札所の第14番観音だった観音堂が、今宮坊として別れたと言います。
境内の正面に観音堂があります。掲げられる扁額には正圓通閣、正圓は正観音の別名と言います。また境内には勢至菩薩堂があります。観無量寿経では「知恵を持って遍く一切を照らし、三途を離れしめて、無上の力を得せしむ故、大勢至と名づく」と言われているようです。
六観音は六道輪廻の思想に基づき、六種の観音が六道に迷う衆生を救うという考えから生まれたもの。地獄道 - 聖観音、餓鬼道 - 千手観音、畜生道 - 馬頭観音、修羅道 - 十一面観音、人道 - 准胝観音、天道 - 如意輪観音とされる。天台系では准胝観音の代わりに不空羂索観音を加えて六観音とする。
源頼朝によって発願され、源実朝が西国の霊場を模範として制定したと伝えられてる33ヶ所の観音霊場。神奈川・埼玉・東京・群馬・栃木・茨城・千葉にかけてある札所を巡拝すると1,300キロメートルになると言う。