柳沢峠10:50~笠取林道ゲート11:00~1570m付近11:25/35~板橋峠の分岐12:20~藤谷ノ頭12:40~柳沢無線中継所13:15~レンゲツツジ群生地・東屋~ハンゼノ頭13:35/14:00~柳沢ノ頭14:25~柳沢峠14:55
塩山と奥多摩を結ぶ国道411号線の最高点、柳沢峠はミツバツツジやレンゲツツジの咲く三窪高原の登山口です。
山ツツジやレンゲツツジの花便りに誘われたどり着いた柳沢峠の駐車場は10台ほどの車が止まっていました。今回は笠取林道の板橋峠からハンゼノ頭に向かい三窪高原を歩くことにします。
柳沢峠から僅かに下って行くと笠取林道のゲートがあります。緩やかに登って行く舗装道路は緩やかなカーブを繰り返しながら高度を上げていきます。
やがて舗装道路はハンゼノ頭へと登って行く山道を左に分けます。緑が濃くなった梢の先にには大常木山から将監峠へと続く奥秩父の山並みが見えているようでした。
さらにカーブを繰り返すと柳沢無線中継所へと登って行く道が分かれています。すでに板橋峠から下ってくるハイカーも出会うところでした。
左手の稜線が低くなると程なく板橋峠です。ここから続く林道は斉木林道と名を変え倉掛山、石保戸山を越え笠取山へと続くようです。
バブルの時代、この先には深静峡と言うリゾートがあったと言います。しかし今はソーラーパネルが立ち並ぶだけで三窪高原を歩くハイカー以外には訪れる人も少ないようです。
峠の手前から踏み跡を登って行く道は防火滞なのか、標高差は80mほどでしょが急な登りに息も上がってしまいそうです。ジグザグを繰り返しながらたどり着いたピークは藤谷ノ頭です。ここからは緑に包まれた明るい高原歩きが始まります。
小さなアップダウンを繰り返すと4等三角点があります。草原には遅くまで雪が残っていたのか、たくさんのワラビがありました。最盛期は2週間ほど前でしょうが久しぶりの山菜取りでした。
小さく登ったコブの上には携帯電話のアンテナ、さらにその先には大きな柳沢無線中継所の建物が建っています。
左手の道は笠取林道へと下って行く道、右手に分かれる道は鈴庫山へと続いている道です。
やがて登山道はレンゲツツジの群生地、崩れかけた東屋が建っています。明るい草原はマルバダケブキが目立ちます。木の根元には鹿よけの網が張られていました。
レンゲツツジやコバイケイソウ、マルバタゲブキなどには毒があるため鹿も食べないと言いまが鹿よけの網の中にはたくさんの草が生えていました。1日に3kgの草を食べると言う鹿の食害が三窪高原の生態系を変えてしまっているのでしょう。
小さく木の階段を登って行くと展望が広がるハンゼノ頭です。曇り空の下、南アルプスの稜線は巻き上がる雲でその同定は難しいものです。それでも櫛形山や青く霞む南アルプスの山々、雲から頭を出した富士山を見付けることができました。
崩れかけた木の階段を下ると十字路、左手の道は笠取林道へと下って行く道です。小さく登り返すと公園の遊歩道のような整備された道が続いています。2等三角点がある柳沢ノ頭は今日最後のピークでした。
ここからは明るい雑木林の中の下りです。木の階段が続く道が落葉松の林に代わってくると車を置いた柳沢峠にたどり着きました。
かつてはミツバツツジやレンゲツツジの高原として知られた三窪高原、最近はレンゲツツジも少なくなったようです。鹿はレンゲツツジを食べないと言われていますがその影響があるのでしょうか。また、彼方此方に熊出没の看板が建っていました。確かに奥秩父主稜線の縦走路は目の前、ここは熊が生息する領域ということでしょう。熊に襲われたというニュースなどが数多く聞こえてきます。動物の保護も重要でしょうが自然を守るためには人との共存やバランスが重要なのでしょう。
草原が広がる三窪高原、赤いヤマツツジやオレンジ色のレンゲツツジが咲いていました。
目立つ花はマルバダケブキとマムシグサ、何れも毒を持つ植物でシカに食べられずに残っていたのでしょう。