水潜寺駐車場10:10~495m付近10:45/50~札立峠11:05~破風山11:25/40~水潜寺12:25/30~水潜寺駐車場12:40
破風山は秩父観音霊場結願の寺である水潜寺の裏にそびえる山で秩父盆地を目の前にする展望の山です。
秩父観音霊場は秩父をめぐる34か所のお寺、100kmになるという巡礼道の最後は33番札所菊水寺から札立峠を超え水潜寺まで、およそ8kmほどの道を歩くことになると言います。
水潜寺下の駐車場に車を停めまずは本堂に参拝です。道端にはわずかに雪も残っているようで、秩父の山里は寒さが厳しいのが頷けます。
ここは関東ふれあいの道・秩父盆地を眺めるみちに指定されているところで参道にはお馴染みの案内板が立っていました。
参道の脇からは暗い杉林の中の山道が始まります。よく踏まれているものの歩く人が少ないのか少し荒れ気味です。急な登りに汗をかき始めるこる札立峠にたどり着きました。右手は大前山へと向かう道、我々は左手の明るい尾根道を登って行きます。
最後の急坂を登ると三角点が置かれた破風山の山頂です。視界が広がる山頂からは秩父盆地を挟んで武甲山や武川岳、丸山、堂平山の頂を見付けることができます。秩父三峰山神社から続く稜線の先を追いかけると霧藻ヶ峰や白石岳の頂、雲取山はその奥に隠れているようでした。
振り返るとアンテナを頭に乗せた頂は城峯山、左手に目を移すと両神山や二子山の岩峰なども見付けることができます。思いのほか多くの頂を見ることができる山頂でした。
予定では大前山に登る予定でしたが交通渋滞などで到着が遅れたこともあり札立峠から水潜寺に下ることにしました。
水潜寺の納経所で参拝、中年のお坊さんが観音霊場巡礼の話をしてくれました。かなり小さな子供も巡礼に訪れているとか、数日前は雪も降ったが今年の冬は雪が少ないと話していました。
帰りに鐘撞堂山の中腹にある竹炭工房を訪ねることにします。鐘撞堂山は10年以上も前に訪れたことがある山です。大正池が結氷していたこと、山頂で出会った地元のおじさんが春先のカタクリや山頂からの展望について話してくれたことが記憶に残っています。
大正池から続く林道の終点に車を停め山道を登って行きます。アオキなどが目立つ杉林をひと登りすると竹林の中に小さな小屋が現れました。
小さな小屋には我々と同じ世代のおじさんが一人、10年以上も竹炭を焼いていると言います。小屋の前には竹炭の窯が2つ、長い竹の竿は窯の煙突のようです。
真竹を焼いた竹炭のほか箸や花器、しゃもじ等を作っているとか。真竹を切ったコップでコーヒーをご馳走してくれます。真竹はサトウキビと同じように竹から甘味の成分が出るので砂糖は不要と言います。
地元でとれるというイノシシの肉を炭火で焼いてくれました。味付けは塩だけ、一緒に焼いたねぎのぶつ切りもまた甘く一味違うようです。
最後にネギを一本ごと焼いてくれましたがこちらも甘く美味しかったです。これで今年一冬は風邪もひかないだろうと言っていました。
竹の箸やしゃもじは竹炭を作るときに使う竹の煙突を使うとか、生の竹と違いあめ色に変色した竹は軽く硬くなっていると言います。普通の箸に比べるとその軽さは際立っているようでした。
春になるとこの山でも山菜が取れるとか、コシアブラもあるので山菜の天ぷらも・・・という話でに期待を膨らませながら竹炭工房を後にしました。