林道駐車スペース-(0h25m)-1499m峰-(0h20m)-白髪岩山頂-(0h50m)-林道駐車スペース
原三角点は明治初期に内務省の地理局が実施した関八州大三角測量で設置された三角点です。その後測量は軍事上の目的から陸軍に引き継がれ関東、中部の多くは原三角点を一等三角点として利用されたました。現時点で現存する原三角点は雲取山、米山とこの白髪岩の3か所と言います。
上信越道の富岡インターから一般道に下り甘楽の山里から細い林道を登って行くと塩沢峠です。ここからは鬼石と南牧村を結ぶ御荷鉾スーパー林道を走ることになります。白髪岩の登山口は杖楯峠手前のカーブ近くにありました。白髪岩入口と書かれた真新しい道標の先には数台が停まれる駐車スペースもありました。
白髪岩へは薄いふみ跡をたどり笹藪を漕いで行かなければならないと紹介されていましたが、笹が被っているものの所々にはピンクのテープも巻かれ、特に迷いそうなところは無いようです。
駐車場の奥から木の根につかまりながら稜線に登ると、薄いふみ跡は北東を目指して続いています。一度小さく下って登り返した小さなコブが1499m峰。白樺の幹には小さな道標が打付けてありました。
ここから右手に続く稜線を進むと、ふみ跡はニ手に分かれます。直進する道は直登ルート、左手の道は巻き道です。ここでは直進ルートを進みましたが道はやがて小さな鞍部に下り合流しました。あまり意味のない道です。
鞍部からは白髪岩の裾を巻きながらふみ跡をたどって行きます。やがて岩がゴロゴロと転がる湿地状の附近で道は不明瞭になってきました。右手の斜面に見つけたピンクのテープを目印に雑木林の斜面を登って行くと白髪岩の稜線にたどり着きました。
目指す大三角点は稜線の上にあります。コンクリートの台座の上に四角錐の大きな石柱、その表面のは旧字体で原三角点の文字が刻まれています。三角点の傍に建てられた案内板には近くの南牧村産の石が使われとか、現在の三角点に比べ大きさも重量もありそうです。
現在の1等三角点は赤久縄山の山頂にあります。雲取山や米山では原三角点と同じ位置に1等三角点が設置されていますが、白髪岩ではどのような理由か赤久縄山に移されたようです。このことが最近まで白髪岩の原三角点が発見されなかった理由の一つなのでしょうか。
帰りは往路をたどり登山口へと戻りました。途中、若い単独行のハイカーが登ってきます。原三角点を探しに来る人はよほどのオタクと思っていましたが、結構たくさん訪れる人がいるようです。我々もその中の一人でしょうが。
帰り道の途中、赤久縄山の山頂を往復し1等三角点を見てきました。林道わきの駐車場に車を停め、黄色や赤の紅葉に染まった登山道を登って行きます。梢の先からは白髪岩の山頂が見え隠れしています。右手にはギザギザとした頭の両神山、その先には雁坂嶺や破風山など奥秩父主稜線上の山も見えていました。
山頂の中央には草に隠れるように1等三角点があります。白髪岩の原三角点はこの山頂に移動されたということですが白髪岩からは直線距離で2km、標高は10m程しか違いません。万場から見上げるとこの山頂のほうが見通しが良かったのでしょう。目の前は樹木が切り開かれていましたが、視界はそれほど期待できませんでした。