満願の湯上駐車場-(1:00)-590m附近-(0:20)-破風山-(0:20)-札立峠-(0:20)-大前山-(0:30)-586m附近(昼食)-(0:50)-水潜寺-(0:30)-満願の湯上駐車場
破風とは妻切り屋根などに付けられた装飾板を指すと言います。このことから破風のような三角形の山には破風山の名前を多く見付けることができます。今回登る破風山は秩父三十三観音霊場の結願寺、水潜寺の裏手にそびえる頂で、数日前に登った宝登山の山頂からも三角形の頂が目の前に小さな頭を持ち上げていました。
たどり着いた満願の湯のすぐ上には大きな駐車場があります。この時期、あまり登る人も無いようで広い駐車場も閑散としていました。駐車場からは舗装道路の登りが始まります。暗いスギ林の中を登っていく道はかなり冷え込んでいるようで薄い氷も所々に張っていました。
道端には風戸の鏡岩といわれる岩が現れます。案内板には断層で岩の表面が削られたもと紹介されていました。この岩でボルダリングをしているのか、岩の上には登山靴の足跡も残っていました。
やがて舗装道路が終わると登山口、関東ふれあいに道の道標に従いスギ林の中を登って行く道が始まります。しばらく暗いスギ林の道を登って行くと雑木林の明るい斜面を登るようになります。枯れ葉に包まれた登山道の先には大きなサル岩が現れました。
サル岩からさらにひと登りすると大きなあずま屋が現れます。暖かい時期には休憩に丁度良いところでしょうが、寒そうな杉林の中のあずま屋では休憩する気にもなれません。
明るくなった稜線をたどる道は桜ヶ谷方面からの道を合わせ山頂へ。木立の中の登りにひと汗を流すと小さな破風山の山頂にたどり着きました。
狭い山頂には山頂標識と小さな石祠、3等三角点もあります。最近聞いた話ですが、三角点の角を欠いて集めているというマニアもいるとか。昨年登った鍋割山の三角点もそうでしたが、この山の三角点も頭の一部が削り取られていました。
破風山の山頂からは南側の視界が開け、秩父の街並みを挟んで正面に武甲山、その左には二子山から武川岳、大持山、小持山などの頂を見付けることができます。その右には雲取山から破風山、甲武信ヶ岳など奥秩父主稜線の山々を見付けることができます。その稜線には白い雪が張り付いていました。
破風山から明るい雑木林の坂道を下って行きます。たどり着いた鞍部は札立峠で菊水寺と水潜寺を結ぶ巡礼道です。秩父三十三観音霊場を巡礼する人々はこの峠を越え満願の寺へと向かっていったのでしょう。峠には往時を偲ぶ石碑が立っていました。
ここからは関東ふれあいの道と分かれ、露岩の目立つ痩せた稜線を登っていくことになります。途中にはそびえ立つニョッキン岩。如金さまとして地元の人の信仰を集めたところと言います。
登山道は痩せた尾根をたどりながら大前山へ登って行きます。途中には両脇が切れ落ちた細い稜線、小さな鎖場もあり変化に富んだ尾根歩きが楽しめるところです。
たどり着いた大前山は登山道の上の通過点と言ったところで、木立に覆われた山頂からは展望を得ることもできません。この先には両神山の展望が得られるところもあるようですが北から吹き付ける風に乗って細かい雪も降ってきました。
帰りは水潜寺から車を停めた満願の湯に戻ることにします。札立峠に戻ってから巡礼道を水潜寺へと下って行きます。小さな沢沿いに下っていく道は石ころの多い道で、小さな流れを渡るところも幾つか。草鞋履きの巡礼の人にはなかなか辛い山道であったのかも知れません。
たどり着いた水潜寺、満願寺と言うことで納経帳を手にした夫婦連れなど。車やバスで巡礼している人は数組いるようですがやはりこの時期、歩いて秩父を回っている人は少ないようです。
ここからは車道を歩き満願の湯へ。まだ時間は早いようですが道の駅はなぞのに立ち寄り野菜などを買い求めてから自宅に戻ることにしました。