長瀞駅前駐車場-(0:40)-小鳥峠-(0:30)-宝登山-(0:40)-野上峠-(0:40)-御嶽山-(0:40)-萬福寺-(0:35)-長瀞駅前駐車場
今年最初の山行は長瀞アルプスです。ライン下りやサクラの花で知られる長瀞の近くに小さく頭を持ち上げる宝登山、これから続く明るい稜線を長瀞アルプスと呼ぶようで、湘南アルプスや沼津アルプスなどと同じように、ご当地アルプスとしてガイドブックなどにも紹介されています。
スキーシーズンが始まりましたが平日の関越自動車道はあまり渋滞もありません。たどり着いた花園インターから長瀞へ。宝登山神社の大きな鳥居の傍の駐車場に車を停め山頂を目指すことにしました。
小鳥峠へと向かう舗装道路を緩やかに登って行きます。気温はそれほど低くないものの、水溜りは凍りついていました。小さな道標の建つ峠は小鳥峠への分岐点。右手に向かう道は長瀞アルプスの稜線をたどり野上駅へと向かう道です。
杉林の中に緩やかに続く道は宝登山への分岐点にたどり着きました。ここから山頂までは階段の急な登り、固定ロープも張られていますがその頼りになるほどではありません。
たどり着いた山頂には大きな山頂の案内板と三角点があります。山頂からは南西方面の視界が開け白く霞んだ空の下に奥秩父の稜線、目を右に移すと両神山や甲武信ヶ岳の頂を見付けることができます。
山頂までロープウェイが運行されているこの山は観光客でも賑わうところで、山頂周辺には咲き始めたロウバイが甘い香りを漂わせていました。
山頂の暗い杉林の中には宝登山神社の奥ノ院があります。宝登山神社は秩父神社、三峯神社と並ぶ秩父三社の一つで、日本武尊の東征の伝説を今に伝えるところです。この神社のおみくじは白扇のおみくじで、社の脇の木にはたくさんの白扇がぶら下げられていました。
山頂の展望を楽しんだ後、小鳥峠まで戻り落ち葉の登山道を歩き始めます。野上方面からは平日にもかかわらずたくさんのハイカーが登ってきます。何処かの山岳会か15名ほどの初老の一団、夫婦連れのハイカーも数組いました。
野上峠は小さな鞍部で、右手の杉林の中に長瀞へ下って行く道が続いていました。枯れ葉に覆われた登山道は小さなアップダウンを繰り返しながら明るい雑木林の中を進んでいきます。
小さなコブを巻き杉林の中を登り返すと御嶽神社の分岐です。342mの目立たない頂を越えた登山道は小さく登り返すと御嶽神社にたどり着きます。大きな石の鳥居のある山頂には御嶽大神の大きな石碑が祀られていました。ここは御嶽山を中心とする山岳信仰の霊場のようで、山麓から神まわりと呼ばれる参道が続きその途中には稲荷大明神、秋葉神社、不動明王などの社や石碑が祀られていると言います。観音霊場などお寺の多い秩父ですが山岳信仰の歴史も今に残しているところです。
長瀞の流れを木の間越に見下ろしながら、静かな山頂で昼食にしました。目の前を走る秩父鉄道は現在でもSLが運行されている路線で、観光シーズンの土日には蒸気機関車が走っていると言います。姿は見えませんが遠くSLの汽笛が聞こえていたようです。
御嶽山からは明るい雑木林の道を野上へと向かうことにします。里山だけあって、途中には幾つもの道が入り組んでいます。
やがて目の前が開けると野上への下りです。稜線が低いこともあり程なく萬福寺の傍にたどり着きました。ここには長瀞アルプス登山口休憩所があります。地元の人が用意したのか切り株の腰かけが置かれ、木の下には黒くなった干し柿が置いてありました。
ここから車を置いた宝登山神社の駐車場までは30分ほどの車道歩きです。途中には猫地蔵という案内板があります。地元のお婆さんに教えられ立ち寄ると小さなお堂に古い祠、その脇にはたくさんの招き猫が祀られていました。
猫地蔵が祀られているためなのか、この周辺は猫の多いところです。丸々と太っているので野良猫ではないようですが畑の中、生垣の中に猫の姿が、中には喧嘩をしている猫もいます。都会ではあまり見かけることが無くなりましたが猫にとっても秩父の山里は住みやすいのかもしれません。
日本海側や山陰では大雪のニュースが聞こえてきますが、宝登山の山頂にはホトケノザやオオイヌノフグリが咲き始めています。また紅冬至など早咲きの梅の花も咲き始めていました。秩父の山里にも春の足音は近付いているようです。