中郷登山口9:40-800mの小ピーク11:20/45-林道分岐12:50-城峯山13:15/45-天狗岩14:05-男衾登山口15:00-大鳥居15:20-石間交流学習館駐車場15:35
城峯山は山頂近くにキャンプ場があることから車でも容易にその頂に立てる山です。山麓の石間から登る表参道のほか関東ふれあいの道の将門伝説を探る道なども整備されているところです。今回は中郷登山口から南尾根を登り山頂に向かいうことにしました。秩父事件の歴史を伝える石間交流学習館の駐車場には群馬ナンバーの車も停まっていました。
石間交流学習館の傍には南尾根登山口の入り口があります。舗装道路の中を登って行く道は程なく登山口の道標にたどり着きます。樹林帯の中の抜け落ちた道標から道を右に、気が付かねば間違って山道に迷い込みそうなところです。
登山道は芽ぶきの始まった雑木林の中を緩やかに登って行きます。道端にはスミレやカキドオシなどお馴染みの春の花が咲いています。やがて登山道は564mのピークを目指して杉林の中を登って行きます。
吉田町が設置した道標など登山道は整備されているものの人が入っていないのか杉の落ち葉に覆われた道はフカフカしていました。
展望の利かない杉木立の尾根道を緩やかに登って行くと倒壊した小屋があります。その先の大きな岩は展望岩と言われるところです。
漆木から登ってくる道を右から合わせた登山道は緩やかに樹林帯の中を登って行きます。しばらく登ると小さな岩場です。左手は視界が開け木立の先には電波塔を頭に載せた城峯山がそびえていました。
800mの岩っぽい小ピークで一息を入れたのち再び尾根道を登って行きます。小さなアップダウンを繰り返すと巻道の標柱がありました。しかし巻道は藪に覆われ人が入っていないようです。
急な登りに息を切らせるながら登るコブは914mの標高点のピーク。右手は視界が開けシルエットになった武甲山や秩父の街並み、左手には笠山や堂平山など奥武蔵の展望が広がっています。
登山道は右手の雑木林の中を鞍部へと下って行きます。緩やかに登り返した登山道は石間峠から続く林道を横切り城峯山の山頂へと登って行きます。山頂直下の急坂にはトラロープも張られていました。
1等三角点が置かれた山頂には大きな電波塔があります。電波塔の展望台からは春霞に霞んでいるものの奥多摩の稜線から続く雲取山、和名倉山、破風山、甲武信ヶ岳などの奥秩父の山々、その手前には両神山、二子山などのゴツゴツした岩峰が続いていました。
山頂には数人のハイカーが展望を楽しんでいます。キャンプ場や石間峠に車を停めた軽装のハイカーも多いようです。
山頂からは天狗岩に向かうことにします。付近の雑木林はまだ芽ぶきも始まったばかりです。登山道わきにはミツバツツジの群生、この山肌はヤマザクラも咲くところのようですが花の盛りを迎えるにはまだしばらくの時が必要でしょう。
城峯山神社の裏から道を右に折れると天狗岩です。痩せた岩っぽい稜線にはアカヤシオが梢の先に柔らかいピンクの花明りを灯しています。両脇は切れ落ちていますが神社の客も訪れるのかコンプリートの手摺なども取り付けられていました。
この周辺は将門伝説の残るところです。城峯山神社の周辺は平将門の弟、平将平の幡武山城があったと伝えられるところです。天狗岩の傍には将門隠れ岩と呼ばれる岩窟もあると言います。
城峯山神社は平将門と日本武尊命を祀る古い神社です。拝殿の前の狛犬はオオカミ、城峯山神社の神額の傍には将門の扁額が掲げられていました。
帰りは表参道を下ることにします。杉木立に覆われた登山道をジグザグに下って行きます。展望もない単調な下りに飽きはじめると男衾登山口の分岐です。右手の道は明治時代の秩父事件の歴史を刻む半納、我々は男衾の登山口に下り車を停めた中郷へ戻ることにしました。
振り返ると若草色に包まれた城峯山が青空の下にそびえていました。
南尾根の小さな岩場には咲き残ったアカヤシオ、今を盛りに咲くのはミツバツツジ、黄色いヒカゲツツジの花も見付けることが出来ます。寒い日が続いていたためかこの山域の春は足早に通り過ぎているようです。そのためもあってか春の山を彩るツツジの競演を楽しむことが出来ました。
石間の集落は今が春を迎えたばかりです。真っ白なハクモクレンに梅の花、道端にはミヤマキキケマンやタネツケバナなどが咲いていました。