秩父観音霊場は秩父の山里に点在する三十四の古刹で、坂東、西国の観音霊場とともに多くのお遍路さんが訪れるところです。その一つ、三十二番札所の法性寺はお船観音ともいわれ、そびえたつ岩峰の上に祀られたお船観音のお寺として知られています。
般若山と言われるこの岩峰とそれに続く釜ノ沢の五つの岩峰は小さいながら変化に富んだコースとしてガイドブックにも紹介されています。
法性寺駐車場9:20-(0h20m)-胎内観音9:40/45-(0h15m)-お船観音9:55-(0h10m)-奥ノ院10:05-(0h30m)-435m鉄塔下10:35/50-(0h35m)-長若山荘裏11:25-(0h25m)-402m付近11:50/12:20 昼食-(1h10m)-556m付近13:30/35-(0h30m)-金精神社・文殊峠14:05/55-(0h45m)-兎岩15:40-(0h10m)-林道15:50-(0h40m)-法性院駐車場16:30
たどり着いた法性寺の駐車場では満開のソメイヨシノ出迎えてくれました。まずは法性寺の本堂に参拝です。古びた石段を登ると納経所があります。さらにその先には大きな岩の下に観音堂が建っていました。
観音堂の下から大きな岩の下をくぐりると奥ノ院への登山道です。昨日の雨を含んで登山道わきには春の花が咲き競っています。
右手にそびえるは大きな岩は龍虎岩、大きく口を開けた岩窟には胎内くぐりの古いお堂が祀られています。
ここからも沢沿いの道を登って行きます。稜線の手前の岩窟にはたくさんの石仏が祀られていました。視界が開けた稜線はお船と呼ばれる大きな岩の上です。その先端には遠く武甲山を眺めるように観音像が祀られていました。
お船の稜線に奥には大日如来が祀られた奥ノ院があります。鎖を頼りにその先端まで登ることができるようです。
ここからは暗い雑木林の中を長若山荘へと下って行きます。小さな沢と小尾根を越えながら下る道は昨日の雨を含んで滑りやすくなっています。途中には道が崩れているところもありました。
送電線の鉄塔の下で一休みです。途中には右手が切れ落ちた一枚岩の鎖場、亀ヶ岳展望台と記された道標の先からは赤松の稜線の上に大きな岩。その姿はまさに大きなカメが稜線をよじ登っているように見えます。
しばらく下ると長若山荘の裏手にたどり着きます。釜ノ沢五峰の登山コースはこの山荘のご主人が整備してくれているコースとか。最近はバスなど団体で訪れる人も多いと言います。
ここからは釜ノ沢五峰を目指して沢沿いの登山道を登って行きます。4月の末とは言いながら急に気温が上がったこともあり汗を拭きながらの登りが続きます。
途中、380m付近の道端で昼食を取った後、雑木林の尾根道を登って行くと右手が切れ落ちた一枚岩の上に出ます。ここが一ノ峰、さらに尾根道を登った先のコブが二ノ峰です。目の前が開けた岩の上からは熊倉山や和名倉山など奥秩父の山並みが広がっていました。
一度小さく下り登り返した岩峰が三ノ峰です。目の前が開けた岩に上からも広い展望を楽しむことができます。
四ノ峰は小さな岩の上、五ノ峰は登山道上の小さなコブと言ったところです。五ノ峰の先は565mの標高点がある展望の頂です。目の前には両神山、二子山をはじめとする奥秩父の山々が春の空の下に霞んでいました。
ここからは緩やかな稜線上の尾根歩きが始まります。布沢へと下って行く道を左に分け、道標に従い金精神社への道をたどると中ノ沢ノ頭にたどり着きます。ここから杉林の中の暗い道を小さく下ると金精神社の社にたどり着きました。
社の先は文殊峠。明るく開けたコブの上には東屋と長若天体観測所の小さなドームがあります。ここで出会った人は山菜とりに訪れた人のようで、ここから広がる展望を説明してくれます。目の前に大きくそびえる頂は四阿屋山と両神山、二子山の右手に続く岩峰は白石山、それから続く稜線には赤久縄山や東御荷鉾山、西御荷鉾山、城峯山などの頂が続いています。
白石山(はくせきさん)は毘沙門水が湧出する山のようで、顕著な岩山のようですが登山の対象にはなっていないようです。またお勧めはみかほ高原荘の温泉とか、天気が良い時は金峰山や甲武信ヶ岳も見えると言います。
中ノ沢ノ頭に登り返した道は植林帯の中を下って行きます。しばらく下ると林道への分岐点。道標に従い兎岩への道を取ると登山道は幾分細くなった稜線の上を歩くようになります。三角点が置かれた小さなピークは竜神山、小さな岩場のアップダウンを繰り返しながら稜線を下って行きます。
やがて前が広く開けると兎岩です。大きな一枚岩の上に手摺が張られたところで、それほど危険ではないものの左右は切れ落ちています。確かにこのコースでのハイライトと言うことが出来そうです。
ここからは雑木林を緩やかに下ると林道にたどり着きました。明るい春の花が咲く林道は程なく長若山荘へ、ここから車を停めた法性寺までは長い歩道歩きです。
春の遅い秩父の山里は今が春の真っ盛りです。法性寺の山門脇には今を盛りのソメイヨシノ、文殊峠も春の花に覆われていました。
法性寺へと向かう秩父の山里も今が花盛りです。民家の軒先には赤いミツマタの花が咲いていました。