旧正丸峠から伊豆ヶ岳~秩父往還の峠道から伊豆ヶ岳を越えて~ 


標高
川越山 766.3m、伊豆ヶ岳 850.9m、高畑山 695m
山域
奥武蔵
登山日
2010年1月17日(日)
歩程
合計6:35
歩行距離
14.2km
標高差
540m
累積標高差
+1,131m、-1,244m
登山口
登山口:正丸駅
下山口:吾野駅mapon
交通機関
 正丸駅
登山コース
正丸駅~旧正丸峠~川越山~正丸峠~伊豆ヶ岳~天目指峠~子の権現~吾野駅
コースmap
旧正丸峠から伊豆ヶ岳 登山コース

 

山行の記録

 コースタイム詳細

正丸駅-(1h00m)-旧正丸峠-(0h35m)-川越山-(0h25m)-首都圏自然歩道休憩地(正丸峠上展望台)-(0h20m)-小高山-(0h30m)-伊豆ヶ岳-(0h25m)-古御岳山-(0h30m)-高畑山-(0h20m)-中沢ノ頭-(0h20m)-天目指峠-(0h30m)-子の権現手前-(0h20m)-子の権現-(1h20m)-吾野駅

 

 正丸駅~旧正丸峠~正丸峠~伊豆ヶ岳

奥武蔵の山の入門コースとしてガイドブックにも紹介されている伊豆ヶ岳は何時もたくさんのハイカーでにぎわっている人気の山です。伊豆ヶ岳から子の権現へと続く稜線は伊豆ヶ岳を越える道、奥武蔵の古刹を訪ねる道として、また伊豆ヶ岳から白石峠へと続く稜線は峠の歴史をしのぶ道として関東ふれいあいの道に指定されています。

また旧正丸峠は秩父往還が通っていた古い峠道で、甲府から江戸に向かう旅人は雁坂峠から秩父盆地を通り抜けこの峠道を越えて武蔵野へと向かっていたと言います。

たどり着いた正丸駅から駅前を通る国道299号線を左手に、しばらく進むと小さな集落の入口です。ここから旧正丸峠への道が始まります。古い街道の匂いが残る集落には古い自然石の石灯籠が建つ社やお地蔵さんを見付けることができます。

集落を抜けると暗いスギ林の中をたどる沢道が始まります。気温はかなり低くなっているようで道には霜柱や薄氷も張っていました。

国道299号線から旧正丸峠への道へ
登山道は沢沿いの道を登って

幾度か沢を渡り返しながら杉林の中を登って行く登山道は、やがて正丸峠へと向かう県道を横切ったのち右手の小尾根を登って行きます。秩父から吹き抜ける風が雪を運んでくるのか登山道は白い雪に覆われていました。

たどり着いた暗い暗部が旧正丸峠です。ここは古い歴史の峠道と言うことですが、往時をしのばせる石仏や石碑などもなく、関東ふれあいの道の道標が一つ立っているだけでした。

ここから道を左に、急な木の階段に汗を流すと川越山です。雑木林に覆われた登山道の途中の小さなコブと言ったところで、山頂を示す道標の前には三角点もありました。

川越山からも雑木林とヒノキ林の中をたどる尾根道が続いています。小さなコブを幾つか超えたところが正丸峠手前のあずま屋です。木立の先には伊豆ヶ岳の山頂がわずかにその頭をだけを出していました。

暗い暗部は旧正丸峠
川越山へ向かう急な階段の道
川越山の山頂
県道が通る正丸峠

たどり着いた正丸峠には伊豆ヶ岳と書かれた茶店が店を出しています。伊豆ヶ岳へ向かうハイカーなどのほか峠を越える観光客もいるようで、甘酒など暖かいものも売られているようです。

ここからも雑木林とヒノキ林の中をたどる尾根道が続いています。小さなコブを幾つか超えると小高山です。冬枯れの木立の先に続く稜線は武川岳、その右手にはパラバラアンテナを頭に載せた二子山を見付けることができます。

長岩峠で正丸駅に下って行く道を左手に分け、しばらく進むと急な木の階段の道が始まります。低山の尾根道は小さなアップダウン続く道が多いもので、関東ふれあいの道として整備されているものの、それなりの体力が必要な道です。

たどり着いた広場は五輪山。正丸駅から登ってくる道を左から合わせるところで、目の前にはガイドブックにも紹介されている岩場がそびえていました。一時、落石のため通行禁止であった岩場は、事故が起きた時は自己責任ということで通行が認められるようになりました。しかし雪が岩場に張り付いたこの時期には登る人も多くありません。

たどり着いた山頂は南北に長い稜線の上で山頂の標柱と三角点があります。山頂からは遠く伊豆半島も見渡すことができることから伊豆ヶ岳の名前が付いたとも、柚子の木が多いことから名付けられたとも、またアイヌ語の突き出た鼻を意味するイズが語源とも言われています。

伊豆ヶ岳の岩場
伊豆ヶ岳の山頂
伊豆ヶ岳から眺める奥武蔵の山々

小さな岩塊の上に立つと真っ青に晴れた青空の下に奥秩武蔵の山並みが広がっています。目の前に長く続く稜線は武川岳、その右手には二子山、その奥には御荷鉾山など上州の稜線が青いスカイラインとなって続いていました。

 伊豆ヶ岳~天目指峠~子の権現~西吾野駅

伊豆ヶ岳からは急な下りが始まります。ここから続く稜線上の登山道は小さなアップダウンを繰り返しながら天目指峠へと下って行きます。登り返したピークには古御岳や高畑山と言う山頂標識が立っていますが、木立に覆われた山頂からは展望を期待すべくもありません。

暗い中沢ノ頭には三角点もありました。小さな案内板にはイモグナノ頭と書かれていました。ネットなどで語源を調べてみましたがイモグナの意味を見付けることができません。武甲山の山麓の生川はおぼかわと読ませたり、東吾野の湯勝手または湯ガ天(ユガテ)などこの付近の地名も判りにくいものも多いものです。

古御岳の山頂
高畑山の山頂
中沢ノ頭には三角点
天目指峠

たどり着いた暗い峠が天目指峠で、西吾野と名栗を結ぶ舗装された県道も通っています。峠の案内板によると、天目はアマメと読みこの付近の方言で豆柿を、指は山地で行われる焼畑農法と言います。漢字の持つ峠の名前とかなりかけ離れた名前が付けられた峠です。

天目指峠からも小さなアップダウンの登山道が続きます。幾つかのコブのアップダウンに息を切らせると子の権現です。天台宗の古刹であるこの寺は西武池袋線と秩父線の沿線に広がる武蔵野三十三観音霊場に一つに数えられ、大きな草履が奉納されている寺として知られています。境内には真っ赤に彩られた仁王像、訪れる参拝客も多いようで参道には土産物屋さんも店を開けていました。

登山道の古い社
子の権現
極彩色の仁王像
吾野駅への分岐

子の権現からは杉林の中の参道を下って行きます。ジグザグに下って行く石ころの坂道が終わるところが降魔橋、ここからは暗くなり始めた舗装道路を吾野駅へと向かいます。やがてあたりを夕闇が包み始めるころ、ようやく吾野駅にたどり着きました。

正丸駅からおよそ14km、低山と言いながらアップダウンの多い尾根道は思いのほか歩き応えのあるハイキングコースです。ガイドブックには正丸駅から伊豆ヶ岳に向かうコースが紹介されていますが、旧正丸峠を回ると充実したハイキングコースとなるようです。

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