有間峠~(0h20m)~1210m附近~(0h10m)~鉄塔下~(0h20m)~日向沢ノ峰分岐~(0h55m)~蕎麦粒山~(0h50m)~1410m附近~(0h40m)~日向沢ノ峰~(0h30m)~日向沢ノ峰分岐~(0h45m)~有間峠
東京と埼玉の県境に連なる稜線は長沢背稜から酉谷山、一杯水避難小屋、川苔山へと続く長い縦走路です。この中間に位置する蕎麦粒山はその名が示すように三角形の山頂を持つ頂で、日原や川苔山から山頂を目指すハイカーで賑わうところです。
名栗湖から狭い林道を登って行きます。高度を上げるにつれ山肌は若い新緑に彩られ、ヤマブキの黄色い花にまじりミツバツツジがピンクの花を付けていました。
有間峠の先にも林道は続いているようです。しかしゲートは落石による通行止め。林道をしばらく歩いたところには3月の地震の影響か大きな落石が道をふさいでいます。
林道わきの道標から雑木林の中の登山道を登り始めます。最初から急な木の階段の道が送電線を目指して真っ直ぐに登って行きます。坂道の途中で一息を入れたのちたどり着いた送電線は展望の広がるところです。振り返ると明るい若葉色の山並みの先に有間山、その右手には霞んだ奥武蔵の丘陵が広がっているようです。
送電線脇の小さな露岩帯にはアカヤシオが群生しています。今年は宇都宮アルプスに始まり、石尊山でもアカヤシオに出会えましたがここの群生は花の数も多く、ひときわ見応えのある花景色でした。
登山道は雑木林の稜線を登って行きます。近くの川苔山などに比べると訪れる人も少ないのか、登山道には落ち葉が厚く積もっています。
たどり着いた稜線は広く開けた尾根道で、奥多摩の山岳写真などでも紹介される明るい尾根歩きが楽しめる道です。分岐点からは道を右に、まだ芽ぶきも始まったばかりの稜線を緩やかに登って行きます。
たどり着いた1400mの小さなピークからは一度小さく下ります。ここから蕎麦粒山の山頂に向かっては急な登りが始まります。それほどの距離ではないものの、真っ直ぐに登る急な登りはかなり疲れる登りでした。
たどり着いた蕎麦粒山の山頂には3等三角点と道標がありました。南西方面の展望が開け川苔山に向かう縦走路を眺めることができます。しかし反対側は立木に覆われ僅かに梢の先に雲取山の山頂を見付けることができるだけでした。
山頂で休んでいるとたくさんのハイカーが山頂に登ってきます。酉谷山から縦走してきたのか大きなリュックサックを背負った若者のグループ、日原のヨコスズ尾根から登ってきた女性のグループ、川苔山方面から登ってきた若者など、この時期この山はたくさんの人が訪れるところのようです。
山頂でゆっくり休んだ後、車を停めた有間峠に戻ることにしました。途中、有間峠への分岐から日向沢ノ峰へ。小さく登った露岩の頂は目の前が開け展望に恵まれたところです。目をこらすと川苔山の上に春霞みに溶け込むように富士山の頂を見付けることができました。
宇都宮アルプスの榛名山、石尊山などでもアカヤシオの花に出会えましたがこの山もアカヤシオの花が一杯です。林道周辺にはミツバツツジの花も咲いていました。