玄岳ハイキングコース入口9:50~登山道入口10:15/20~熱海新道(才槌の祠)10:50/11:00~氷ヶ池分岐11:35/40~玄岳11:55/13:00~氷ヶ池13:40/45~林道終点14:30/35~熱函道路14:40~丹那断層公園14:50/15:05~酪農天国オラッチェ15:30
11月の山の会の山行は熱海の玄岳です。山頂に広がる富士山や箱根に展望と気軽なハイキングの山として人気があるところです。
フィリピン海プレート北上により生成された生成された伊豆半島には、90~30万年前に噴火した湯河原火山、多賀火山、宇佐美火山があったと言います。噴火の年代は南側の宇佐美火山が最も古く90万~40万年前。多賀火山は70万~30万年前に噴火しました。東斜面が波などにより浸食が進み、玄岳が最高点として残たとされています。北側の湯河原火山は40~20万年前に噴火したとされ鞍掛山がその名残と言います。
その後箱根火山が噴火を繰り返し約25万年前には古箱根火山と呼ばれる標高2,700mにも達する成層火山が形成されました。約18万年前に中心部が陥没して大きなカルデラが誕生しました。明星ヶ岳、明神ヶ岳、丸岳、大観山、白銀山などの古期外輪山はこのとき生成されたと言います。
湯河原駅からは東海バスで玄岳ハイキングコースの入り口へ、一緒に乗った中高年のハイカーの一団も玄岳を目指すようです。
たどり着いたバス停からは住宅地の中の急坂が始まります。秋の日を浴びる斜面には3階建ての住宅が立ち並んでいます。バス停からも急な登り、近くにコンビニも見当たらない閑静な住宅地は年を取ると生活もなかなか大変なところかも知れません。
今年はカキが豊作なのか、道路沿いの農家の庭先にはカキの木が赤い実を付けています。道端にあったカキは筆柿でしょうか、でもあまり食べる気にはなりません。
しばらく登ると登山道が始まります。最初は竹藪に中を登って行く道、しばらく登ると照葉樹の林の中を登って行く道になります。
やがて登山道は熱海新道を越えることになります。近くには才槌の祠と言う洞窟があると案内板がありましたが見当たりませんでした。
登山道はジグザグを繰り返しながら照葉樹の林の中を登て行きます。やがて登りも緩やかになってくると熱海の海岸を一望できる展望台にたどり着きました。
赤い木肌が目立つのはヒメシャラでしょうか、ひと登りすると氷ヶ池への道を分ける分岐点にたどり着きました。付近は秋の日を浴びてリンドウやアザミの花が咲き乱れています。
背丈ほどもある笹原をひと登りすると玄岳の山頂です。360度の展望が楽しめる山頂からは箱根の山々や富士山、愛鷹山、沼津アルプスが一望できます。
山頂ではカレーうどんを作ることにします。レシピはYAMA HACKに載っていた手間のかからない簡単カレーうどんとか、食材はうどん1玉、レトルトカレー1人前、めんつゆ100cc、水50ccと牛乳50cc、薬味のネギと七味。
全部まとめて鍋に入れ煮込むと言うことで確かに手間もかからずそれなりに美味、牛乳を加えるのがpointなのかも知れません。
山頂からは氷ヶ池へと下ることにします。背丈もある笹原を下り氷ヶ池の分岐へ、ここからは固定ロープも張られた急坂です。
すでに廃業された玄岳レストハウス近くに下ってきましたが氷ヶ池への道は判りにくいところです。目の前から歩いてきた中高年のグループは氷ヶ池の道が判らず玄岳のバス停に引き返すと言っていました。
氷ヶ池への道は伊豆スカイラインと熱海新道を分けるJCTの近くにあります。道標などもなくふみ跡があるだけ、確かに判り難いところです。
青い水をたたえる池はかつて氷を切り出したところとか。頭を雲の上に出した富士山が見えるビューポイントです。あまり人が入っていないようで付近は笹薮に覆われています。玄岳の駐車場へと登って行く道が分かれていますが藪が深く歩き難そうでした。
笹薮を越えるとヒノキ林の暗い道を下ることになります。石が転がる道に飽きはじめるころ牧場脇にたどり着きました。目の前には青いシルエットとなった大きな富士山と愛鷹山がそびえていました。
熱函道路を越えさらにしばらく下ると丹那断層公園です。玄岳の西に広がる丹那の地下には東海道本線の丹那トンネルと新幹線用のトンネルが掘られています。完成当時の丹那トンネルは清水トンネルに次ぐ日本第2位の長さであったと言います。
昭和の初め丹那トンネルは難工事の末に完成、それまでの急こう配だった御殿場線に比べ輸送量、輸送経費が改善されたと言います。工事は湧水などで難航を極めていましたが1930年(昭和5年)には丹那断層を震源とする北伊豆地震が発生し坑道も2mほどずれたと言います
マグニチュード7.3とされる直下地震で死者・行方不明者272名、全壊家屋2165戸に達したとか、地震により地表に断層が出現し断層公園には横ずれで寸断された小川跡が展示されています。またトレンチでは繰り返し発生していると言う丹那断層が紹介されていました。
帰りには近くの酪農天国オラッチェに立ち寄りアイスクリームやチーズケーキなどを買い函南駅に向かいました。
低い気軽な山と言う認識でしたが思いのほかの藪山です。少し時間がかかり過ぎたと言うこともありましたが天気も良くカレーうどんも美味しかった山行でした。