伊東駅8:55~丸山公園9:20/30~刻印石10:10/20~大平山11:00/10~展望所11:25/30~四辻の上12:10/40~柏峠13:00~柏嶺13:35/50~210m付近14:40/45~伊東駅15:25
伊東駅近くにはゆったり湯めまちウォーキングコースと呼ばれるハイキングコースがあります。このコースは伊東アルプスとも呼ばれているところで、大平山~冷川峠~古城山~鹿路庭峠を結ぶコースがご当地アルプスとしてネット上に紹介されています。
たどり着いた伊東は温泉町です。小さな駅前にはお土産屋さんや温泉宿が建ち並んでいます。伊東線のガードをくぐると住宅地の中の急坂を登るようになります。
ガイドブックなどを頼りに住宅地の中を登って行くと丸山公園にたどり着きました。駐車場のある広場には大平の森ハイキングコースの案内板があります。
公園の中の遊歩道をジグザグに登って行くと立派なトイレ、その先からは雑木林の中を登る登山道になります。照葉樹の単調な登りにはゆったり湯めまちウォーキングコースと書かれた道標が目立ちます。
登山道わきにユーカリの木が自生していると言います。コアラの食性で知られているユーカリはオーストラリアやニュージランドを代表する木、日本には自生しないと言いますが見上げる大木はユーカリです。木の樹皮が剥げているのはユーカリの特徴とか、この樹皮は燃えやすく山火事の原因ともなると言います。
しばらく登ると江戸城の普請に使用された石材を切り出した石丁場跡です。案内板には加賀前田家の刻印の説明がありました。宇佐美近くのナコウ山の石切り場が有名ですが往時は大量の石材が伊東周辺から江戸へと運ばれたのでしょう。
急坂を登ると大平山の山頂です。振り返ると伊東の街並みの先に太平洋と伊豆大島の島影が霞んでいます。三角点が置かれた山頂の先からは白い雪に頭を包んだ富士山がそびえていました。
大平山からは柏峠を目指すことにします。明るい尾根道をしばらく行くと北側の視界が開ける展望地です。たなびく雲の上には真っ白な富士山がそびえています。その下には愛鷹山、さらに右には箱根の山々も見えるのでしょうが白く濁った春の空の下では展望も今一つでした。
登山道は小さなアップダウンを拾いながら570mの小さなピークへ、ここから南へと向きを変えた登山道は灌木の中を下って行きます。ネットなどにはキャベツ坂と紹介されていましたが道標などは見当たりません。あまり人が入っていないようで登山道は落ち葉に覆われていました。
小さな道標が建つ四辻は芝生公園へと登ってくる林道へ続く道が交わるところです。しかし歩く人は少ないようでふみ跡も落ち葉に覆われていました。
登り返した道端に腰を下ろしお昼です。ここからも落ち葉に覆われた雑木林の尾根道が続きます。途中には崩壊地を巻くトラロープの道があります。右手が切れ落ちこのコースで唯一危険な個所と言いますがそれほど危なそうな所ではありませんでした。
たどり着いた柏峠は中伊豆と三嶋方面を結ぶ交通の要衝でかつては中伊豆の産品がこの峠を通り伊東の港から江戸へと送られたと言います。明治時代には峠の下に柏トンネルが開通しましたがその後の県道開通で次第に廃れました。現在は崩壊によりトンネルは通行止めになっているようです。
ここからは広い道が続いています。車も乗り入れることができるようで轍の跡も残っています。道端にはお乳女観音の首が落ちた石像があります。現地の案内板には当時の子育ての難しさが語られていました。
右手の小尾根は馬場平と呼ばれカヤトの原が広がるところです。ラジコンの飛行場となっている広場には大きな車が数台、大空にはグライダーが風を受けながら飛んでいました。
林道を越えると柏嶺です。目の前は伊東の温泉街、その先には大室山や遠笠山、天城山などの頂を一望するところです。霞んだ空の下には房総の山々も見え隠れしていました。
ベンチが置かれたカヤトの原には桜の木が植えられています。伊豆もシカの食害に悩まされているようで、木の側には柵が設けられていました。
柏嶺からは樹林帯の道を下って行くことになります。目を上げるとヤシャブシの毛虫のようなな雄花が梢の先に垂れ下がっています。もう数日もするとこの付近にも芽吹きの季節がやってくるのでしょう。
しばらく下ると大平の森入り口の道標。ここからは温泉街の街並みを眺めながら伊東駅への舗装道路歩きです。
行きも帰りも伊東線のリゾート列車です。赤いキンメ電車と黒船電車があるようで伊豆下田と熱海間を各々2~3往復、帰りは先頭の展望列車にも乗ることができました。とてもラッキーなおまけ付きの山行でした。