伊豆半島の付け根に位置する金冠山は、富士山の好展望台として知られた山です。標高こそ1,000メートルに満たないものの、目の前に広がる富士山と駿河湾の眺めは一見の価値だある山です。明るい金冠山に早春の伊豆の暖かさと、駿河湾を隔ててそびえる富士山の展望を訪ねてみました。
東名高速の沼津インターから伊豆の小京都と呼ばれる修善寺へ。温泉街から狭い道をしばらく登っていくと左手に梅園があります。ちょうど梅祭りが始まっているようで、園内には紅梅、白梅およそ3,000本が浅い春にほのかな香を漂わせていました。さらにカーブを繰り返していくと左手に達磨山レストハウス。ここからは駿河湾を隔て、白く雪を被った富士山が目の前にそびえています。さらにしばらく道を登っていくと戸田峠です。目指す金冠山の登山口は駐車場の傍にありました。
登山口からはなだらかな登りが続いています。しばらく登ると達磨山キャンプ場からの道を合わせ、石のゴロゴロした急な登りとなってきます。しかし登りも一息。登山道がなだらかになるとく金冠山の山頂です。
金冠山の山頂からは明るい早春の日を浴びた広い展望を楽しむことが出来ます。正面に青く輝く駿河湾を挟んでゆったりと裾野を広げた富士山。その右裾には愛鷹連峰。さらに左手遥かに霞んでいるのは白く雪を頂いた南アルプスの山々。ふり返ると天城山を中心とした伊豆のなだらかな山々が連なっていました。
山頂からは奥山へ向かうことにします。山頂直下の急坂を下ると明るい笹原が広がっています。登山道の両側にはアセビやツゲなどの潅木がトンネルを造っていました。春が早い伊豆でも、まだアセビの蕾は固いようです。
やがて潅木が深くなり幾つかの小さなピークを越えていくと奥山。山頂からの視界はほとんど利きません。左手にゴゼト山の道を分け、さらに急な坂道を下ると真城峠にたどり着きました。峠からは車道を古宇口へと下ってきます。しばらく車道を下っていくと黄色い菜の花の咲いている古宇口のバス停の前にたどり着きました。
車の停めてある戸田峠までは凡そ1時間ほどの登りです。幸い20分ほどの待ち時間で修善寺行きのバスがあるようです。