別当出会い駐車スペース8:55-別当出会い9:10/20-中飯場10:05/15-別当覗き11:00/05-1840m付近11:25/30-勘之助避難小屋ベンチ・昼食11:50/12:20-勘之助避難小屋12:25/30-南竜道分岐13:05/10-エコーライン分岐13:30-2330m付近14:35/50-五葉坂15:00-室堂・受付15:20/16:05-御前峰16:55/17:05-室堂・宿泊17:50
行動時間8:55、歩行時間6:35、歩行距離:8.6km、累積標高差:+1570m、-363m
今年の日本海側は雪が少なかったようで花の季節は1月ほど早く過ぎようとしているようです。ネットなどによると7月の中頃からクロユリやハクサンフウロが満開と言う記事が伝えられていました。
宿泊した金沢からは車で別当出会いへ向かいます。週末は市瀬からシャトルバスが出ているようですが今日は別当出会いまで車で登ることができます。
狭い県道をジグザグに登って行くと別当出会いです。すでに駐車場は一杯のようで、路肩にはたくさんの車が駐車していました。
舗装道路をしばらく登ると別当出会いの登山センターです。ここはシャトルバスのほか金沢駅からの直行バスの終点にもなっています。広場には別当出会い登山口の大きな石塔があります。その先には別当谷を渡る長い吊り橋がかかっていました。
登山道は雑木林の中を緩やかに登り始めます。石の階段などが付けられているもののあまり歩き安い道ではありません。花の最盛期と言うこともありたくさんの人が先になり後になりながら山頂を目指しました。
木立の先からは砂防工事の槌音が聞こえてきます。砂防新道の名前が示すように白山の勘之助谷や柳谷では砂防工事が行われています。ここから見える柳沢には大きな堰堤が幾つも立ち並び、白い水しぶきを上げる不動滝の傍には工事用の索道も設けられていました。
中飯場で一休みしたのち、急な坂道を登って行くと別当覗きです。さらに雑木林の中を登って行くと勘之助避難小屋近くのベンチにたどり着きます。視界が開ける一帯は高茎草原のお花畑で、シモツケソウやミソガワソウ、タテヤマアザミなどが咲いていました。
勘之助避難小屋は立派なトイレが設置されています。小屋前の水道からは冷たい水が流れ出ていました。
さらに急な登山道を登って行くと南竜道の分岐です。まっすぐ登って行く道は十二曲がりから黒ボコ岩、弥陀ヶ原へと登って行く道です。ここで道を右に、登山道わきに広がるお花畑にはイブキトラノオやシモツケソウなどが咲き乱れています。
カメラのファインダーに花をとらえながら小さな岩場を越えて行くとガスの中に南竜山荘の赤い屋根が見えてきます。南竜ヶ馬場にはカラフルなテントも見えていました。
ニッコウキスゲの黄色い花が咲く斜面はエコーライン、たくさんの花の眺めながらジグザグに高度を上げていきます。チングルマの穂綿やアオノツガザクラの花柄が目立つ斜面は万才谷の上部で例年であれば遅くまで雪渓が残っているところです。
やがて木道が現れると弥陀ヶ原です。かつてここを訪れたときはガスの中にクロユリやコバイケイソウが咲いていました。今年はやはり雪が消えるのが早かったのか、それでも木道脇にはクロユリの花が咲き残っていました。
五葉坂で黒ボコ岩から登ってくる道を合わせると室堂への最後の登りです。ゴロゴロとした石が転がる坂道に息を弾ませると室堂の赤い屋根が見えてきました。
受付の前には宿泊手続きの人の列ができています。平日とは言いながらやはりたくさんの人で室堂は混雑しているようです。
食事は6時過ぎから、明日の天気は曇り空で霧も出るとか、登拝は行われるでしょうがご来光は見ることができないかも知れません。青空が見えているうちに山頂を往復しようと言うことで水と雨具だけをもって山頂に向かいました。
ハイマツ帯を抜けると岩稜帯の中をジグザグに登る急坂です。登拝が行われていることもあり道は良く整備されています。ジグザグを繰り返す坂道に息を弾ませると山頂は目の前、石垣に囲まれた奥宮の先には三角点が置かれた御前峰の山頂がありました。
目の前は白山の火口原です。御前峰と大汝山に囲まれた一帯は古い白山の山頂崩壊によって形成されたもの。そののち剣ヶ峰が誕生し記録に残る最後の噴火で翠ヶ池ができたと言います。
巻き上がる入道雲の下には三方崩山、晴れていればその先には北アルプスの山々が見えるようで、山頂傍の展望盤には御岳山や乗鞍岳、奥穂高、双六岳などの名前が刻まれていました。
山頂からは室堂に戻り周辺尾の遊歩道をひと廻り、木道の脇に目を落とすとクロユリが咲いています。小さな沢沿いにはハクサンコザクラの小さな群生も見付けることができました。
室堂6:25-五色池・千蛇池7:15/30-室堂8:10/35-平瀬道分岐8:55-アルプス展望台9:30/35-南竜山荘10:25/40-勘之助避難小屋ベンチ11:30/12:15-別当覗き12:55/13:00-中飯場13:35/45-別当出会い14:30/35-別当出会い駐車スペース14:45
行動時間8:20、歩行時間6:15、歩行距離:10.5km、累積標高差:+296m、-1503m
朝起きると御前峰は白い霧の中です。それでも雲の間より青空も顔を出し始めています。朝一番の朝食の行列に並んだのちお池めぐりコースを歩くことにしました。
朝露を含んだ登山道を緩やかに登って行きます。早いもので早朝の登拝を行ったハイカーが池をめぐって下ってきます。朝露を含んだ花をカメラに納め乍ら緩やかに登って行くと百姓池、その先はハクサンコザクラなどが咲く五色池です。目の前には岩屑に覆われた大汝山がそびえていました。
千蛇ヶ池は白山を開いた泰澄大師が千匹の蛇を池の中に封じ込めたと伝えられるところ、千蛇ヶ池雪渓は夏も消えることは少ない多年性雪渓と言います。
室堂に戻ったのち展望歩道をたどり南竜山荘に下ることにします。南竜山荘に宿泊したのか室堂へと登ってくるパーティもいるようです。道標の建つ分岐は白水湖から登ってくる平瀬道を分けるところ、室堂まで6.9kmと言いますから砂防新道より若干長めのコースなのでしょう。
展望歩道と呼ばれるだけあって道は緩やかに下って行きます。左手は雪崩のため樹木が育たない高茎草原となりイブキトラノオやカライトソウ、シモトケソウが咲き乱れるお花畑が広がっています。
たどり着いたアルプス展望台は巻き上がるガスの中です。展望盤には御嶽山や乗鞍岳の名前が刻まれているものの巻き上がる雲の中に三方崩山もその姿を見せてくれません。
アルプス展望台からは南竜山荘へと下って行きます。道は小さな沢を目指して下って行きます。オタカラコウなど黄色の花が目立ちようになると南竜山荘の木道が始まります。竜ヶ馬場のカラフルなテントを左に分ける南竜山荘です。
山荘前のベンチで一息を入れたのち南竜道へ、エコーラインへの登りを右に分けるとお花畑が始まります。目の前には砂防工事用の索道鉄塔が建っています。資材を運搬しているのかヘリコプターが沢の上でホバリングしていました。
黒ボコ岩へと登り道を右に分けると登山道はたくさんのハイカーで混雑し始めます。小さな子供連れ、初老のパーティ、何処かのツアー登山なのか20人ほどのグループも登ってきます。
勘之助避難小屋前のベンチもたくさんの人で溢れていました。小屋の手前のテーブルに腰を下ろし昼食にしました。
食事ののち中飯場を目指して下って行きます。登ってくるときは我々も同じだったのでしょうが余裕のある人バテバテで足も重そうな人、小さな子供のザックを抱えた家族連れなどなど、南竜ヶ馬場でテント泊するのか大きいザックを背負ったパーティも目に付きました。
時計はすでに1時を過ぎています。朝早くの新幹線を利用すると昼前には別当出会いにたどり着くことができるようす。室堂までは難しいでしょうが南竜山荘を利用すると前日に金沢に宿泊しない計画を立てることができるようです。
中飯場で一息を入れると別当出会いまではおよそ30分、転倒事故があったのか途中から下山ルートは右手の沢沿いの道を下るようになります。多少距離は長くなるのでしょうが急な岩交じりの下りに比べれば安全と言うことでしょう。
吊り橋を渡ると別当出会いです。登山センター前にはシャトルバスや金沢行きのバスが待っています。我々は車を停めた駐車スペースまで下って行きます。昨日はたくさんの車で溢れていた駐車スペースもこの時間は閑散としていました。
白山はたくさんの花が咲く山です。特に室堂周辺に咲くクロユリは国内でも有数の群落として知られています。
別当出会いから勘之助避難小屋へと登って行く砂防新道にはカニコウモリ、ミヤマコウゾリナ、オオレイジンソウなどが咲いています。ミヤマシシウドの大きな花が甘い匂いを辺りに漂わせていました。
南竜道は高茎草原のお花畑が広がっています。赤いシモツケソウとイブキトラノオが咲き競っています。ハクサンフウロも思いのほか多くの花が咲いています。色も少し鮮やかな赤色をしているようです。
エコーラインにはニッコウキスゲが咲いていました。弥陀ヶ原は遅くまで雪渓が残るところのようですがアオノツガザクラやチングルマはすでに花の時期を過ぎていました。
室堂から御前峰の周辺もたくさんの花が咲くところです。ハクサンタンポポは花の時期を過ぎていましたが木道の周辺にはたくさんのクロユリが咲いていました。小さな沢は雪が遅くまで残っていたようでハクサンコザクラの小さな群落も見付けることができます。
展望歩道はカライトソウやイブキトラノオのお花畑が広がっています。この斜面は木が生えない雪崩斜面になっているため高茎草原が発達しているのでしょう。
南竜小屋からは南竜道、砂防新道を下って別当出会いに戻ります。登山道に咲いていたカメバヒキオコシはハクサンカメバヒキオコシとか、亀の尾にあたる部分が2重になるのが特徴のようです。
白山にはハクサンの名を頭に付ける花がたくさん咲いています。ハクサンイチゲ、ハクサンコザクラ、ハクサンシャジン、ハクサンダイゲキ、ハクサンチドリ、ハクサンフウロ、ハクサンシャケナゲ、ハクサンオミナエシ、ハクサンイチゴツナギ、ハクサンカニコウモリ、ハクサンサイコ、ハクサンスゲ、ハクサントリカブト、ハクサンボウフウ、ハクサンアザミ、ハクサンオオバコ、ハクサンカメバヒキオコシ、ハクサンハタザオの18種
また御前峰の名を付けたゴゼンタチバナやオヤマリンドウもまたハクサンを頭に付けた花に含めることができるでしょう。
中飯場までのGPSlogは電波状態が悪く欠測しています。