大雪山から始まった紅葉の便りは10月を過ぎると東北から北アルプスの山々へ駆け足で下ってきました。テレビのニュースでは那須周辺や北アルプスの山々も紅葉に彩られる季節を迎えているようです。
前日は梓川近くの道の駅風穴の里で車中泊しました。紅葉の時期を迎えた連休と言うこともあり、駐車場にはたくさんの車が停まっています。上高地周辺を散策するのか子供やお年寄りを連れた家族連れの車も泊っていました。
かっぱ橋-(1h40m)-徳沢手前-(0h15m)-徳沢-(1h10m)-横尾-(1h00m)-本谷橋-(0h55m)-Sがれ-(1h05m)-涸沢テンバ場(幕営)、歩行時間 6:55
涸沢テン場-(0h35m)-Sがれ上-(1h05m)-本谷橋-(1h00m)-横尾-(0h55m)-徳沢-(1h20m)-嘉門次小屋 -(1h20m)-上高地バスターミナル、歩行時間 6:15
たくさんの観光客でにぎわう河童橋の周辺はたくさんの観光客で賑わっています。五千尺ホテルの前で朝食を食べてから遊歩道のような道を歩きはじめます。河童橋の上には秋空の下に穂高連峰の岩峰が白くそびえていました。
梓川沿いに遊歩道のような道を歩いて行いきます。明神の辺りからは梢の先が赤や黄色に色付き、紅葉は上高地周辺まで下ってきているようです。梓川を挟んでそそり立つ明神岳の岩壁はすでに黄色く色付いた紅葉に彩られていますた。
しばらく遊歩道のような道を進むとたくさんの猿がガナズミの赤い実を食べています。大勢の人がカメラを向けても逃げるそぶりもせず木の実をむさぼっています。静岡では人を齧る猿がいるとニュースが話題になっていますが、ここでは人の傍を猿が悠々と歩いていました。
横尾に着いてお昼です。ここは奥穂高に向かう人と槍ヶ岳に向かう人が分かれるところで、横尾山荘前のベンチにはたくさんの人がお弁当を広げていました。
横尾橋を渡ると、本谷橋を目指す登山道が始まります。左手はクライミングで知られた屏風岩で、梢の間から紅葉を岩肌に散りばめた岩壁が見え隠れしています。シラビソなどの林の中を緩やかに登って行くと本谷橋にたどり着きました。吊り橋のかかる河原は休憩にちょうど良いところのようで、たくさんのハイカーが腰をおろしています。
ここから本格的な登りになります。よく整備された石の階段をジグザグに登って行くと左手に屏風岩の岩壁が迫ってきます。瀬音が聞こえなくなるとほどなくSガレと呼ばれる屏風岩のルンゼを横断します。視界も広く開け紅葉に染まった横尾尾根、右手には屏風岩の岩壁がそそり立っています。
しばらく登ると狭くなり始めた沢の先に待望の涸沢が見えてきました。真っ赤に色付いたナナカマドの紅葉が斜面を埋め尽くしています。
モレーンの丘には涸沢ヒュッテの旗が見えると涸沢ヒュッテは目の前です。最後の石段を登り涸沢ヒュッテを回り込むと色とりどりのテントが張られたテン場にたどり着くきました。テン場は岩がゴロゴロしていましたが、あちこちに石を整地している所がありあります。
テントを張り食事を済ませると早くなった秋の日は暮れ始め、テン場を夕闇が包み始めます。しかし気温はそれほど下がっていないようで比較的暖かい夜を過ごせそうです。
夜、パノラマ売店から見たテン場は、昼間とは違い色とりどりテントにライトが揺れとても幻想的でした。
今回の目的は涸沢の紅葉、もう一日時間があれば奥穂高岳の山頂を踏んでくることもできそうですが、今日はここから上高地を目指して下ることにしました。昨日は連休の最中ということもあり、若いパーティも多く登っていましたが今日は平日。年配のパーティやツアー客が涸沢を目指しているようです。
下山の途中、靴ずれで足を痛めていた若い女の子、登山靴のソールが剥がれている人が何人かいました。ソールをガムテープで巻いたり、手ぬぐいで縛ったりしながら急坂を下っています。冬靴やスキー靴が割れるという話も聞いたことがありますが登山靴も劣化すると辛いことになりそうです。
帰り道に明神池近くの嘉門次小屋に立ち寄りました。ここは北アルプスの黎明期に活躍した上條嘉門次が開いた山小屋とか。名物と言うヤマメの塩焼きを注文しましたが、連休の後のためか少し小ぶりだったような気がしました。
暗くなり始めた上高地のバスターミナルに到着したのは6時少し前。最終のバスはまだあるようですが客待ちをしていたタクシーで車を停めた沢渡の駐車場に戻りました。