水ヶ塚駐車場8:35~一合五勺9:20/25~1910m付近10:20/30~御殿庭・二合五勺10:45~1900m付近11:10/55~四辻12:20~幕岩12:40/45~須山御胎内13:20~水ヶ塚駐車場14:00
今年の富士山はコロナの感染で登山禁止、吉田口のスバルラインは開いているものの、静岡側は富士宮スカイラインや御殿場口五合目に向う県道などは通行止めです。しかし宝永火口へと続く須山登山道は通行できるようです。夏山トレーニングの軽い山行です。
たどり着いた水ヶ塚の駐車場は思いのほかたくさんの車です。須山登山道を歩く人以外に腰切塚や浅黄塚などを歩く人も多いのでしょうか。
須山登山道は黒岳近くの須山浅間神社を登山口とする古い登山道です。宝永4年(1707年)の宝永噴火により登山道は消滅しました。安永9年(1780年)頃には復興されましたが明治に入り御殿場口ルートが開かれると歩く人は減少し、その後旧陸軍の演習地となり廃止されたと言います。
最近、須山口ルートを歩くと言う記事をネットで見付けることがあります。山頂まではおよそ20Kmとか、かなりの健脚でなければ日帰りは無理と言うことでしょう。
登山口からはコメツガの樹林帯の中の登りが始まります。雨で土削られた道を避けるように登山道は緩やかに登って行きます。しばらく登ると一合五勺、ここからは下山道の幕岩へと続く道が分かれていました。
日の光を遮る樹林帯の登りは標高も1700mほど、下界の気温は35度近くあったはずですが思いのほか汗も出ません。しばらく登ると御殿庭と呼ばれる草原を登りようになります。ヨツバヒヨドリやキオンなど夏の花が咲いていました。
高鉢駐車場へと続く道を左に分けさらに登ると二合五勺、ここから宝永火口へは立ち入り禁止になっています。我々は右手の二ッ塚に向かうことにしました。あまり人が歩いていないようで倒木などもありますが道はしっかりと付いています。
やがて宝永火口から下ってくる道を合わせるとスコリアの枯れた沢を越えることになります。付近は森林限界を超えた砂礫地で、フジアザミやメイゲツソウ、タイツリオウギなど花を見付けることができます。振り返ると宝永火口のピーク赤岩を見上げることができます。
登山道脇の草原でゆっくり昼食の時間をとったのち四辻へと下って行きます。展望の広がる四辻からは眼下に御殿場の高原、右手には愛鷹山、左手には箱根の山々を見付けることができます。
雲の先には万二郎や万三郎など伊豆の山々が青黒いシルエットとなって続いていました。
四辻からしばらく下ると雑木林の中の下りです。細かな砂礫の道は滑りやすく少し歩き難いところでした。
さらに下ると左手に幕岩、富士山の溶岩流を土削った沢にできた溶岩崖です。高さは30mほどとか、草が付いてはいますがよじ登るのはなかなか難しそうです。
幕岩からは再び雑木林の明るい登山道を下って行きます。やがて道が緩やかになると須山御胎内にたどり着きました。
風穴など富士山には溶岩流が作り出した洞窟が点在しますがここもその一つです。鳥居の先には10mほどの洞窟があり中には三皇子を抱く木花咲耶姫の石像が祀られていると言います。しかし崩壊などの危険があり柵により立ち入りが禁止されていました。
ここからは雑木林の中をたどる緩やかな道です。登山口までは30分ほどの道程でしたが単調なこともあり思いのほか長かった気がします。
やがて県道を走る車の音が近付いてくると水ヶ塚の駐車場です。まだたくさんの車が停まっていました。