富士山五合目11:00~佐藤小屋11:30/35~四合五勺・御座石12:00/30~三合目1840m13:00~二合目・小室浅間神社1700m~一合目13:45~馬返し14:00
富士山の登山道は交通の便が良い吉田口登山道、富士宮口登山道、御殿場口登山道、須走口登山道などが多く利用されています。吉田口登山道は富士スバルラインの五合目から山頂を目指すようになっています。
富士スバルラインが開通したのは1964年(昭和39年)、それまでは北口本宮富士浅間神社から長い登山道を登って行ったと言います。この登山道は富士講などの登拝道で途中には多くの山小屋などがあったようです。現在でも浅間神社の境内から五合目または山頂を目指す登山者も多いと言います。
今回はバスを利用して五合目まで登り、登山口まで下ると言う気軽なハイキングです。
たどり着いた富士山駅の近くには50台ほどの車を停められる無料駐車場がありました。海外からの観光客などを乗せたバスは富士山五合目へとたどり着きました。小御嶽神社やレストラン、土産物屋さんなどが建ち並ぶ五合目はたくさんの観光客で賑わっています。
小御嶽神社に参拝したのち駐車場脇のゲートをくぐると広い砂利道が佐藤小屋へと続いています。この道は中の茶屋で吉田登山道から分かれた林道で自然保護のためか通年通行が規制されているようです。また途中の竜ヶ滝から六合目へと登る登山道がありましたが冬期間の通行止めとなっていました。
緩やかに続く登山道からは大きな展望が広がります。青黒いシルエットとなって連なる御坂山塊の稜線、その頂は鬼ヶ岳から節刀ヶ岳、黒岳へと続いています。それから続く稜線の先には三ツ峠の頂も見付けることが出来ます。梅雨を目の前にした季節ですが思いのほか大きな展望を楽しむことが出来るところでした。
佐藤小屋の前からはコメツガや落葉松の新緑が眩しい登山道を下って行きます。小屋の直下はテン場となっているようで黄色いテントが張られていました。ここで一泊して山頂を目指す人もいるのでしょう。
登山道は良く整備された砂利と木の階段、石畳が続く道です。最初に現れたのが五合目不動小屋、さらに下ると煙草屋など朽ちかけた小屋があります。比較的登りもきつくないこともあるのか登山道にはトレランの若者が目立ちます。
ジグザグを繰り返しながらたどり着いた大きな小屋は四合五勺の井上小屋です。小屋の傍の岩は御座石と呼ばれ、登拝を祈念したたくさんの石碑が祀られていました。
御座石からもジグザグを繰り返す登山道が続いています。数十人の一団はクラブツーリズムのツアー登山、今から登って行くのでしょうから五合目にバスを待たせているのでしょう。ガイドの話では冬でもこのルートを登ることが出来るようですが御座石付近からは凍結のため軽アイゼンが必要と話していました。
四合目の先は展望が開けるところで目の前には御坂山塊の山々が霞んでいます。十二ヶ岳のピークが見えるようですが岩峰は青黒い稜線の中に溶け込み良く判りません。その下の足和田山は結構目立っていました。
小室浅間橋を越えると二合目の小室浅間神社です。966年に建てられた富士山では最古の神社と言いますが建物は崩壊しトラロープで立ち入りが禁止されていました。
また傍には古い石碑が幾つか。富士講の先達の墓なのか奉納碑なのでしょうか、いずれ古い歴史が残されているところのようです。
一合目の山小屋は鈴原天照大神社です。かつては大日如来を祀っていましたが明治の神仏分離令で天照大神を祀るようになったと言います。さらに下ると禊ぎ所です。かつての登拝者はここで禊ぎをしたのち山頂を目指したのでしょう。
石鳥居をくぐると参道のような広い道が始まります。やがて左手には馬返しのバス停が現れます。
ここから北口本宮富士浅間神社までは7.5kmほど、途中にレンゲツツジの群生地があるようですがまだ2時間近く時間がかかりそうです。今日は馬返しからバスで富士山駅に戻ることにしました。
馬返しには30台ほど止めることが出来る駐車場があります。ここに車を停め五合目まで往復すると5~6時間のハイキング、冬でも雪が無ければ冬山装備も必要なさそうです。山麓にフジザクラの咲く時期や秋の紅葉の時期にでも訪れてみたいコースでした。