海沢園地10:00~大滝分岐10:35~860m付近11:15/20~1075m付近12:15/25~鋸尾根分岐12:50~大岳山13:00/25~綾広の滝上ベンチ14:35/45~裏参道分岐15:25~大楠峠16:25/40~海沢園地17:10
大岳山の北面から多摩川へと流れ込む海沢には三ツ釜の滝、ネジレノ滝、大滝の3つの滝がかかっています。海沢渓谷探勝路として整備されこれを目当てに訪れる観光客も多いところのようです。
ここから大岳山の登山道の一つ、鋸尾根へ登って行く道があることを知ったのは30年近くも昔のことです。一時、廃道になったのか山行の報告が途絶えていましたが最新はヤマレコなどに幾つかの山行記録を見付けることができます。登山道もあまり荒れていないようなので久しぶりにこの道を歩いてみることにしました。
海沢園地はアメリカキャンプ村からさらに細い山道を登って行ったところにあります。園地の入り口近くには5~6台ほどが停まれる駐車スぺースがありました。
海沢園地の丸太橋を渡りわずかに登ると三ツ釜ノ滝です。白い飛沫を上げながら三段になって落ちる滝の傍には立派な鉄の階段が付いていました。
さらに登って行くと木々の間からレジレノ滝が見えています。4~5人ほどのグループが沢下りを楽しんでいるようです。海沢三滝はキャニオニングスポットとしても紹介されているところのようで、大滝やネジレノ滝では滝つぼに飛び込んだりスライダーなど水と遊ぶことができると言います。
登山道はネジレノ滝を見下ろしながら坂道を登って行きます。途中には固定ロープが張られた小さな岩場、大きな一枚岩にはステップの足場も切られていました。
大滝への分岐を左に分けると「これより悪路」と書かれた道標です。ハイキングコースとしては紹介されていない道にも道標は整備されているようです。
道は壊れた丸木橋から若宮沢を渡渉することになります。瀬音を聞きながら沢沿いのふみ跡を登って行く道は思いのほかの急坂で額からは大粒の汗が滴り落ちてきます。
目の前の沢にはワサビ田、今もワサビの栽培が行われているようで荷揚げ用のモノレールのプラットホームがありました。
あたりを緑色に包むヒノキ林の中の登りは見上げる稜線を目指して登って行きます。途中、大岳山まで1.4kmの道標の傍らで小休止です。
ここからも益々急になる登りに息を切らせながら高度を上げて行きます。薄くなったふみ跡をたどり、固定ロープが張られた急坂を登り切ると鋸尾根の支尾根にたどり着きました。
三ツ釜ノ滝へ2.3kmと書かれた道標からは明るい雑木林の尾根道を登って行きます。登山道にはミツバツツジの花柄が幾つか、目を上げると梢の先に散り残ったミツバツツジの花が残っていました。
鋸尾根の分岐は道標が建つ縦走路の通過点と言ったところ。右手へと下って行く道は鋸山を超え奥多摩駅へと続く道です。今登ってきた海沢への道には道標もなく、あまり人を入れたくないのか道をふさぐように小枝が置かれていました。
大岳山直下の岩場は左手の巻き道を登って行きます。やがて梢の先に視界が広がると大岳山の山頂です。低い雲がたなびく空の下に広がるのは丹沢の山並み、右手にはアンテナを頭に乗せた三ツ峠の山頂も見えています。
お昼時は過ぎていますが御嶽神社方面から登ってきた人が山頂でお弁当を広げています。最近は山に登る海外の方も多くなっているようで、中国の若者も奥多摩の展望をスマホに収めていました。
山頂で遅いお弁当を食べたのち御嶽神社を目指して下って行きます。まだ息を切らせながら山頂を目指して登ってくる人、軽装のトレランの若者も多いようです。
大岳神社を超えると岩場に鉄の階段、その先の岩場では今年の1月に滑落事故が起こったようで新しい鎖と滑落注意の注意書きがあります。山での事故はどこでも起きる可能性はありますが、確かにこの付近の岩場は冬や雨の日などには危なそうな所の一つでしょう。
登山道は良く踏まれた雑木林の中を緩やかに下って行きます。芥場峠からさらに斜面を下って行くとロックガーデンへの分岐です。綾広ノ滝や七代ノ滝などを散策したのか中年のグループが山道を歩いていました。
ここからは緩やかになった道を御嶽神社へ、神社の参道からは参拝に訪れた観光客を含め少し賑やかになってきます。
ビジターセンターの手前で細い小径を左に、かやぶき屋根の改修が終わった馬場御師宿の前を過ぎると御嶽神社の裏参道です。
緩やかに山裾を巻くように下って行く道をおよそ1時間、たどり着いた大楢峠は鳩ノ巣駅へと下って行く道、海沢城山を超える道、海沢園地へと下る道を分けるところです。
我々は左手の林道をたどり海沢園地へと下ることにします。途中から道はアスファルトで舗装された道に、ゲートもなく大楢峠までは一般の車でも登ってくることができるようでした。
たどり着いた海沢園地には地元も車が1台、モノレールを利用して山菜などを下ろしてきたようです。海沢谷を歩き奥多摩や白丸に向かうのもかなり時間がかかることもあり海沢から大岳山を目指す人はあまり多くないようです。山行記には鳩ノ巣から大楢峠を越えたのち海沢三滝から大岳山を目指す健脚の記録も多いようでした。