杖突峠10:10~キャンプ場10:55/11:05~守屋山東峰12:00/30~守屋山西峰12:55/13:15~鬼ヶ城14:35~立石14:45/50~立石コース入口15:10~杖突峠15:30
山の会の山行は南アルプスの北端の山、守屋山です。守屋山は杖突峠から続く頂で、目の前に八ヶ岳、諏訪湖の先には霧ヶ峰や美ヶ原など展望が広がる山として知られています。花の百名山にはザゼンソウの咲く山としても紹介されています。
不安定な天気が多かった10月、今週は寒気が南下し高い山では初雪も降るとの天気予報です。
前日は雨も降っていたため峠道の凍結なども気になっていましたが朝から雲一つない青空です。たどり着いた杖突峠の駐車場にはすでに数台の車が止まっていました。
ソーラーパネルが立ち並ぶ登山口からは紅葉が始まりかけた雑木林の登山道が始まります。
しばらく登ると林道歩き、ザゼンソウの群生地へと下る道を左に分けしばらく歩くとキャンプ場にたどり着きました。可愛らしいクマの置物やベンチ、水呑場山荘などもあります。案内板にはセイコーエプソンの名前もあります。プリンターで有名なエプソンは諏訪の会社、本社は東京に移転したようで地方でのデジタル産業はなかなか大変なのかもしれません。
雑木林の中の登山道は山頂を目指して登って行きます。急になった登りは胸突坂、小さな鎖を登って行くと東峰の山頂にたどり着きました。
目の前には雪をまとった八ヶ岳の長い稜線、その左手には車山から八島湿原、美ヶ原の王ヶ頭が見えています。青黒い稜線の上には白い雪をかぶり穂高から槍ヶ岳、白馬山など後立山の頂も見えていました。
振り返ると逆光の甲斐駒ヶ岳や北岳、仙丈ケ岳、さらに目を右にたどると木曽御嶽山や乗鞍岳の頂も見付けることが出来ます。飽きることのない360度の大展望が広がっていました。雲一つない青空と昨日降った雪がその姿をひときわ目立たせているようでした。
山頂でお弁当を食べてから西峰に向かうことにします。山頂直下には守屋山奥宮の石柱と赤い柵に囲まれた石祠が祀られています。
古代、仏教の伝来で曽我氏との抗争に敗れた物部守屋一族が片倉村に落ちのび、守屋の霊を山頂に祀ったと伝えられていますが真偽は長い歴史の中に埋もれているようです。
小さく下った道は中嶽、近くの木の洞には登山の安全を祈るという撫難観音が祀られていました。
たどり着いた西峰もまた展望が広がる頂で、山頂標識には日本展望100山の案内板があります。山頂には1等三角点の標石もありました。全国に973個ある1等三角点の中で標高順で78番目の三角点と言います。
目の前には諏訪湖とその上に大きな美ヶ原の稜線、その先には少し雲が出てきたようですが雪を被った北アルプスの頂が見えています。車山の右手には浅間山、前掛山の頂もまた白い雪が積もっているようでした。
東峰に戻り立石コースを下ることにします。雑木林の急坂をジグザグに下ると三角点がある前嶽への分岐です。
さらに雑木林の道を下って行くと百畳岩、ここからは岩めぐりコースです。屏風岩、親子岩、夫婦岩、平成のビーナス、十文字岩、立石、御陰核岩などの奇石を眺めながらの下りが続きます。
平成のビーナスは十文字岩から延びる大きな木、言われてみればビーナスを連想することが出来ます。
たどり着いた立岩、案内板によると里山の人がお坊さんに見立てて朝夕に家内安全、世の中の平和を祈ったところと言います。立岩をめぐる道が付けられていますが下から見上げるとそびえるような大岩ということです。
立石を超えると幾分緩やかになった道は御陰核岩などを超え林道にたどり着きました。枯葉に覆われた舗装道路を下って行くと国道にたどり着きました。ここからは行き交う車も多い歩道道路を1kmほどの登りが待っています。
そろそろ舗装道路歩きにも飽き始めるころ、車を停めた杖突峠の駐車場にたどり着きました。帰りは諏訪大社の前宮に立ち寄ってから戻ることにしました。
諏訪大社本宮からキャンプ場へと登って行く登山道もあるようです。あまり利用されないようで廃道のようだと言います。