細尾峠9:30-薬師岳10:15/40-1100m鞍部11:30/45-丸山12:25/50-大木戸山13:20-三ノ宿山13:55/14:20-1188m峰14:40-やしおの湯分岐15:35/40-やしおの湯16:30
日足トンネルを越えつづら折りの山道を登った細尾峠にはたくさんの車が停まっています。つつじの花を求め薬師岳へ軽いハイキングを楽しむ人も多いようです。
良く踏まれた明るい稜線は緩やかに薬師岳を目指して登って行きます。目にも眩しい新緑の中にはミツバツツジ、ヤマツツジの朱色の花も見付けることが出来ます。やがて登りも急になると薬師岳の山頂はひと登りです。
石祠が祀られた山頂は北東方面の視界が開け男体山、大真子山、女峰山などの頂が青空の下にそびえています。女体山の山頂付近はまだ白い雪に覆われているようでした。山頂の南側の肩も展望が開けるところです。半月山の山肌には中禅寺湖スカイライン、その左には皇海山から鋸山、袈裟丸山の稜線が続いていました。
山頂で展望を楽しんだのち丸山へ向かうことにします。明るい尾根道は背丈の低いミヤコザサに覆われ目立った花を見付けることができません。若葉色の雑木林にはミツバツツジに混じり真っ白なシロヤシオの花が満開を迎え始めています。
右手に鹿避けのネットが現れると石祠が祀られた鞍部です。視界が開けた明るい斜面にはヤマツツジの朱色の花が咲いていました。目の前は夕日岳の大きな山頂、それから続く稜線はなだらかに薬師岳へと続いていました。
鞍部からは丸山への登り返しが始まります。1159mのピークを越え右手に明るい笹原が広がる稜線をたどると丸山への登り返しです。150mほどですが思いのほか急な登りで汗も噴き出してしまいました。
たどり着いた丸山の山頂は木立に覆われてところで視界は期待できません。日光山紀行の山頂標識が打ち付けられている山頂に腰を下ろしてお弁当にしました。
山頂には貸し切りバスでやってきたと言う20人ほどの一団、成田からやってきたと言いますが足の弱い人もいるようでなかなか大変そうです。最近はガイドブックなどにも多く紹介されていますが足の弱い人にはなかなか大変なコースのようです。
ヤマツツジの咲く稜線から急な登りにひと汗を流すと大木戸山の山頂です。展望に恵まれない山頂には三角点と栃木の山紀行の山頂標識がありました。
大木戸山からは北斜面の急坂を下って行きます。しばらく下ったところは佐ノ宿跡と言われるところで石祠が2つ祀られていました。ここから三ノ宿山への登り返しは木の根につかまりながらの急坂です。
小さなアップダウンを拾いながらたどる稜線には岩っぽいところもあります。目立たない1158mのコブには右手の雑木林の中を下って行く薄いふみ跡がありました。
この道は滝ヶ原峠へと下って行くようです。禅頂の行者道は滝ヶ原峠から合峰に登り返し、化粧ノ宿、星ノ宿、四本龍寺へと向かったのでしょう。
登山道を赤く彩るヤマツツジを眺めながら稜線を下って行くとやがてやしおの湯の分岐です。
ネット上には右手の1047.7m三角点を越え樹林帯の中を下って行くコースが紹介されていましたが木の枝で通行止めになっています。ここは道標に従い稜線を下ることにしました。
ジグザグに下る道は真っ赤なヤマツツジのトンネルの中の下りです。ヤマツツジの咲く山は多いでしょうがこれだけ多くのヤマツツジに出会えたのは久しぶりです。
今年は花の季節が早く通り過ぎているようでまさに今がヤマツツジの満開のようです。送電線を越えさらにしばらく下ると車を置いたやしおの湯にたどり着きました。
日光を開山した勝道上人は天平時代の僧侶です。勝道上人が修業した足跡をたどる峰修業は今も四本龍寺を中心に行われています。春の華供養に始まり夏峰、秋峰(五禅頂)、冬峰の入峰修業が行われていました。日光最深部の山々をめぐる夏峰は死者などもあったようで中世からは中絶したと言います。
ネットなどによると峰修業でめぐる行場には宿が設けられ今も石祠などが祀られていると言います。
●華供峰
四本龍寺~山久保~小来川~八岡~古峰ヶ原~巴ノ宿~竜ノ宿~地蔵嶽~掛合宿~薬師嶽~旧谷宿~茶の木平~歌ガ浜宿~中禅寺~四本龍寺
●冬峰
四本龍寺~山久保~小来川~八岡~古峰ヶ原~巴ノ宿~竜ノ宿~地蔵嶽~掛合宿~薬師嶽~佐ノ宿~化荘宿~星ノ宿~四本龍寺
●夏峰
星宿~鳴虫山(合峰)~薬師岳~歌ヶ浜~湖水南岸~黒檜岳~千手ヶ原~県境稜線~錫ヶ岳~白根山~温泉岳~太郎山~男体山~女峰山~四本龍寺
●五禅頂(秋峰)
四本龍寺~行者堂~殺生石~七滝拝所~箱石金剛~錫ヶ嶽・三笠・赤倉(不明)~唐沢宿~女峰山~帝釈山~若沢宿(富士見峠)~小真名子山~寒沢宿~大真名子山~大多和宿~男体山~中禅寺~四本龍寺