細尾峠から夕日岳~禅頂行者道はツツジの尾根歩き~ 


標高
薬師岳1420.1m(栃木百名山)、地蔵岳1483m、夕日岳1526.1m(栃木百名山)
山域
奥武蔵
登山日
2012年5月31日(木) 曇り、17℃
歩程
合計5:05(道間違えを含む)
歩行距離
9.5km
標高差
316m
累積標高差
+720m、-720m
登山口
細尾峠mapon
交通機関
 日光道清滝ICから8km
登山コース
細尾峠-薬師岳-地蔵岳-夕日岳-細尾峠
コースmap
薬師岳・夕日岳

 

山行の記録

 コースタイム詳細

細尾峠8:35-(0h35m)-薬師岳9:20/35-道間違い1356m地点まで往復(0h30m)-薬師岳10:05-(0h45m)-1406m10:50/11:00-(0h30m)-三つ目11:30-(0h15m)-地蔵岳11:45/12:20-(0h20m)-三つ目12:40-(0h20m)-夕日岳13:00/25-(0h15m)-三つ目13:40-(1h35m)-細尾峠15:15

 

 細尾峠~薬師岳~地蔵岳

日光の前衛にはアカヤシオやシロヤシオの咲く稜線があります。ここは日光の開山と伝えられる勝道上人が出流山から大剣峰を経て古峰原、日光へと向かった道筋で古くから禅頂行者道として歩かれたところです。アカヤシオの咲く時期には多くのハイカーで賑わうと言う稜線も、平日とあって訪れる人も多くありません。

日光の市街と足尾を結ぶ日光トンネルの足尾側の出口近くから細尾峠へ。木立に覆われた暗い峠に車を停め夕日岳を目指すことにしました。

緑のシャワーに包まれた稜線は薬師岳を目指して登って行くます。今この稜線はツツジの花の真っ最中を迎えているようで、少し時期は過ぎているようですがトウゴクミツバツツジのピンクの花、真っ赤なヤマツツジは蕾を開きかけばかりです。シロヤシオの花も所々に咲いていました。

しばらくすると単独行の中年のハイカーが追い越して行きます。茶ノ木平から下ってきたようで、夕日岳、地蔵岳を越えて古峰ヶ原へ縦走すると言います。日帰りでは無理でしょうが前日、中禅寺湖に泊るなどすると充実した縦走が楽しめるコースのようです。

登山口は細尾峠
緑のシャワーの中の登山道

少し細くなった稜線上をたどる道は小さなアップダウンを繰り返しながら登って行きます。登山道の左右が崩壊しているところもありました。

やがて薬師岳を巻くように登る道を右に分ける分岐点です。ここは左手の直登コースをたどり薬師岳を目指します。標高差150mほどでしょうが真っ直ぐに登って行く急坂にすぐに汗が噴き出してきます。

ひと登りした薬師岳の山頂は東側が開けたところで、山頂には栃木百名山を示す山頂標識と三角点がありました。禅頂行者道と呼ばれるこの稜線には山岳信仰の歴史を伝える古い石祠が祀られています。今でも修験道の修行が行われているようで石祠には奉納札が納められていました。

石祠が祀られた薬師岳の山頂
薬師岳の山頂には三角点
誤って三ノ宿山への稜線を下って
薬師岳ノ肩と記された分岐点

山頂で一休みしたのち夕日岳を目指すことにします。GPSで方向を確認しないで出発したこともあり誤って三ノ宿山への稜線を下ってしまいました。1/25000地形図上には三ノ宿山への登山道は記載されていないにも関わらず、思いのほか良く踏まれた登山道です。300mほど下ったところでGPSを確認して道迷いに気付きました。とんだ道迷いです。

山頂から少し戻った所にある分岐から道を左に、この分岐には標識もありません。明るい尾根道を僅かに下ると薬師岳ノ肩と記された道標が現れました。ここからは小さなアップダウンを繰り返す尾根道歩きです。若い緑に包まれた稜線にはトウゴクミツバツツジやヤマツツジ、シロヤシオの花が咲いています。所々に古い石祠が祀られているものの、曇り空の下では展望を楽しめるところもありません。

山岳信仰の歴史を伝える石祠
ツツジのトンネルを行く
三ツ目の分岐点
ツツジのトンネルを行く

ツツジの花のトンネルに励まされながら小さなコブを幾つか越えると三ツ目と言われる稜線上に分岐です。まずは稜線通しに地蔵岳へ向かうこととします。

古い石祠の祀られた地蔵岳の山頂は唐松の林に囲まれ展望は期待できそうにありません。図根点の標石が置かれた山頂に腰を下ろし昼食をすることにしました。

地蔵岳の山頂
地蔵岳にも石祠

しばらくすると古峰ヶ原方面から2人連れの男性が登ってきました。古峰峠からほぼ3時間の行程とか、こちらもたくさんのツツジが楽しめる登山道と言います。

 地蔵岳~夕日岳~細尾峠

地蔵岳からは夕日岳に向かうことにします。三ツ目の分岐に戻り、ガスの中にそびえる小尾根を登り返します。若葉色に包まれた登山道にはミツバツツジのほかアカヤシオの花弁も幾つか落ちていました。見上げればまだ葉も出ていない枝先に、一輪だけアカヤシオが咲き残っています。1週間も前であればまだアカヤシオの花にも出会えたのかもしれません。

明るい稜線を夕日岳へ
夕日岳の山頂
夕日岳の山頂に三角点
僅かに半月山の稜線が

小さく登った頂には三角点と栃木百名山を示す山頂標識があります。シロヤシオの花が咲く山頂は北側の視界が開け、霞んだ空の下に半月山の稜線が霞んでいました。天気が良ければ男体山の頂も見えるようですが今は白いガスの中にその姿を隠していました。

山頂で一休みしたのち細尾峠へと戻ることにします。途中、中年の夫婦連れが登ってきましたが今日出会った3組目の登山者です。アカヤシオの終わった平日にはあまり訪れる人が多くはないのかもしれません。

山頂の先は蕗平へと下る道
往路から眺める薬師岳への稜線

緩やかな稜線のアップダウンを繰り返しながら薬師岳ノ肩を目指します。途中、地蔵岳で出会った2人連れの登山者が引き返してきます。話を聞くと夕日岳への道を間違いここまで来たと言います。人のことは言えませんがこのコースは道標も少なく、道を間違えることもありそうなコースです。

薬師岳ノ肩からは山の斜面を巻く沢沿いの道を下りましたが、道は結構荒れ気味です。薬師岳の直登コースとの分岐から小さなコブを越えながら下って行くと車を停めた細尾峠は目の前です。

 新緑とツツジの稜線

禅頂行者道は今ツツジの花のトンネルの中です。雑木林の中には背丈の低い笹が生い茂っていることもあり、春の野山を彩る花は咲いていないものの、トウゴクミツバツツジやシロヤシオが今を盛りに咲き競っていました。

 ハルゼミ
 ハルゼミの抜け殻
 ザックにとまったハルゼミ

木の幹に目を落とすとゼミが朝露を浴びて羽根を広げようとしています。まさに今脱皮したばかりでしょうか。季節は春ゼミの鳴く初夏に移り始めているようです。

 

 コース GPSmap

 クリックするとGPSLogをダウンロードします。

 

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