今日は千葉勤労者山岳連盟、ハイキング委員会主催のウィークディ山行です。もみじ狩りの旅と言うことで日光の赤薙山に行きました。赤薙山は女峰山の前衛の山で、女峰山への登山道の中間に位置する山です。しかし女峰山に登るハイカーの多くは比較的簡単に山頂に立てる志津林道からの道を利用しているようで、観光客でにぎわうキスゲ平から先は静かな山旅が期待できるコースです。
ここからはリフト脇に付けられた登山道を登り始めます。雑木林の中を緩やかに登って行く心地良い登りが続いています。この時期、道端には目立った花を見つけることができません。わずかにタイアザミやノハラアザミの花を見つけることができるだけです。40人を超える登山では長い行列が続きます。平日の山行では他のハイカーの邪魔になることもないようですが、休日ではかなり迷惑な話かも知れません。
キスゲ平からは明るい稜線を赤薙山へ登って行きます。低い笹に覆われた見晴らしの良い尾根道です。振り返ると日光の街並みの上に鳴虫山、その奥の地蔵岳や夕日岳、古峰ヶ原などの山々は薄い霞に溶け込んでいました。左手に目を移すと二つの峰を並べる高原山。さらのその左には雲の下に那須の山々も霞んでいました。高原山の手前に見えるダムは栗山ダム。今市市の郊外に位置するこのダムは揚水発電が行われているダムと言います。春先や秋の比較的水量の多いとき揚水を行い、夏場の渇水期に発電するとか。夫婦山と月山の山頂近くに水を貯めているため、遠くから見ると山上湖と言った感じがします。
雲を巻き上げる赤薙山を眺めながら明るい尾根道を登って行きます。左手の沢は谷に向かって土砂の崩壊が続いています。日光ではこのような沢を「薙ぎ落したような崩壊地」と言うことから薙ぎと言うとか。赤薙山の名前もこのようなところから名付けられたようです。
たどり着いた焼石金剛は露岩が積み重なる開けた稜線です。ここで一休みしたのち登山道はコメツガの林の中を登っていく急坂へ。少し崩壊したところもあり、木の根につかまりながらの急な登りが続きます。たどり着いた赤薙山の山頂はコメツガに覆われた狭い稜線で、赤薙山神社の石祠が祀られていました。狭い山頂の道端に腰をおろして昼食です。
山頂から少し進んだところに巻き道がありました。目の前には女峰山と登っていく稜線が続いています。付近はカエデやナナカマドの紅葉が始まり、あたりを秋色に染め始めています。しかし今年は残暑が長かったためか色付きは少し遅いようです。
昼食の後、まき道をたどり丸山に下って行くことにします。コメツガの急な林から笹の稜線を下っていくと焼石金剛です。積み重なる岩陰には金剛像を祀った祠がありました。
小休止ののち、ふたたび明るい稜線を下って行きます。たどり着いたキスゲ平で再び小休止です。ここからは丸山の山頂を目指し階段の登りに汗を流します。大きな岩の間を登り最後の階段に息を切らせると広く開けた丸山の山頂です。山頂から振り返る赤薙山は巻き上がる雲に包まれ始めていました。
丸山からは雑木林の尾根道を下って行きます。思いのほか急な下りが続いています。付近は紅葉が始まり真っ赤なカエデに交じってオオカメノキが赤や黄色に色付いていました。紅葉の梢の先にアーチ型の六方沢橋が見え隠れしていますが、なかなか目指す駐車場にはたどり着きません。岩のごろごろした沢を超え最後に小さく登り返すと分岐点にたどり着きました。ここからは緩やかに駐車場への道を下って行くだけです。