高山は昨年のNHKニュースで紹介されていたハイキングコースで、標高もそれほど高くないため中高年や子供連れにも人気の山と言います。また早春にはツツジやアズマシャクナゲの花が咲く山とか。何時か登ってみたい山として考えていた山の一つです。
竜頭の滝上の駐車場に車を停め登山口へ。登山道は日帰り温泉施設と言う小屋脇から、明るい落葉松林の中を緩やかに登り始めます。この付近は落葉松の芽吹きが始まったばかりのようで、柔らかい新緑があたりを包んでいます。露岩の目立つ坂道を登って行くと明るい稜線にたどり着きまました。右手には木立の間から太郎山や男体山、左手には中禅寺湖が春霞に霞んでいます。明るい稜線にはトウゴクミツバツツジが芽吹き始め、真っ赤なアズマシャクナゲの蕾も膨らんでいます。日当たりの中には開き始めた蕾も幾つか。この週末はこの稜線もシャクナゲの花に彩られるでしょう。急な登りに息を切らせるとほどなく高山の山頂です。
山頂は木々に覆われ、わずかに雪を被った奥白根が顔をのぞかせるだけです。左手には霞んだ中禅寺湖、その上には雲を被った半月山とそれから続く社山のなだらかな山頂。皇海山は木梢に隠れて姿を見せてくれません。
高山からは戦場ヶ原に下ることにします。ジグザグに下る斜面には鎖を張ったところもありますが、鎖の頼りになるほどのところでもありません。たどり着いた鞍部は中善寺湖から登って来る道を合わせるところ。ここで道を右に。明るい落葉松の林の中を緩やかに下って行く道は気持ちの良い道です。ガサと言う音に振り向くと、右手から大きな角を持った鹿が1頭。人馴れしているのか目の前を悠々と歩いて行きます。日光はシカが多くなったと言う話しはテレビなどでも聞いた事がありますが、かなりの数がこの山中に生息しているのでしょう。
鹿避けの柵を越えしばらく行くと西ノ湖に向かう車道です。この道をしばらく進むと小田代原の入り口にたどり着きます。ここにも鹿避けの柵が張り巡らしてありました。木道の敷き詰められた小田代原は乾燥化が進んだ尾瀬ヶ原と言ったところです。あまり高山植物は咲いていないようですが、落葉松や広々と広がる草原、その向こうにそびえる奥白根の山、なかなか心地良いところです。
弓張峠に向かう道を左に分け、雑木林の中を緩やかに下って行くと戦場ヶ原自然研究路の分岐です。左に折れると湯沼へ。右手に折れると田赤沼、竜頭の滝に向かうことが出来ます。
道端のベンチで昼食の後、赤沼を目指すことにします。湯川に沿って続く木道には平日にもかかわらず登山遠足の小学生の長い列が続いています。ヤマベ釣りでしょうか、フライを持った釣り人が、湯ノ川の川岸を歩いていました。
たどり着いた分岐点を左に折れると赤沼茶屋です。大きな駐車場のある赤沼自然情報センターに立ち寄りましたがあまり見るものはありません。壁に貼ってあった地図には最近熊の出没が目立つとか。よく見ると先ほど歩いてきた高山の登山道や小田代ヶ原などでも出没しているようです。
赤沼からは竜頭の滝を目指します。途中、道端には鹿が1頭、目の前に近づいても逃げようとしません。かなり人馴れしているようです。落葉松の林の中を進んで行くとほどなく竜頭の滝の駐車場です。ここからの眺めは竜頭ノ滝のビューポイントの一つのようで、数人がスケッチブックを広げていました。
高山に向かう登山道にはコバイケイソウが芽を出していました。稜線の上にはアズマシャクナゲがピンクの蕾を膨らませていましたが、まだ満開には少し時間がかかりそうです。