房総へのドライブなどで何度か通ったことのある養老渓谷には、大福山や梅ヶ瀬渓谷という紅葉のビューポイントがあると言います。数年前、養老渓谷を訪ねたことがります。このときは養老川沿いの遊歩道から弘文洞へ。さらに近くにある栗又ノ滝へと足を延ばしました。しかし大福山はその入り口さえも解らなかった記憶があります。
房総を縦断する国道297号線を南に。牛久で市原天津小湊線に乗り換え養老渓谷駅にたどり着きました。今日はこの道端に車を停め、ひとまず大福山を目指すことにします。
ここからは紅葉に包まれたのどかな山村を女ヶ倉へと歩きはじめます。右手の養老渓谷駅は房総を横断する小湊鉄道の通る駅。1両編成の列車がローカル色豊かな単線を走っています。しばらくすると真っ赤なつり橋で養老川を渡りました。ここからは単調は舗装道路を女ヶ倉へ。女ヶ倉で梅ヶ瀬への道を左に分け、林道を緩やかに登って行きます。小さな子供を連れた家族連れがゆっくりと山頂を目指していました。やがて右手の小尾根を登って行くと小さな展望台にたどり着きます。ここからの展望は低山にしてはなかなか素晴らしく、晴れ渡った青空の下に房総の丘陵が連なっていました。
さらにしばらく進むと、暗い杉木立の中に白鳥神社の神殿が建っています。ここが大福山の山頂のようです。社殿の前で手を合わせた後、右手の急な階段を車道に下って行きます。ここからしばらく女ヶ倉方面に戻ると、梅ヶ瀬渓谷の分岐点にたどり着きました。暗い杉林の中を下って行くとカエデやブナが渓谷を赤や黄色に染めています。小さな沢に沿って続く遊歩道は、飛び石や木橋で沢を渡り返し緩やかに下って行きます。
途中、道を右手に折れしばらく小沢を遡って行くと、日高家の邸宅跡という渓谷にたどり着きました。真っ赤に紅葉したカエデの大木を中心として、両岸にそそり立つ山肌をカエデやブナの紅葉が赤く染めています。まさにここは秋の真っ最中です。もえるカエデの紅葉とはまさにこの景色を指すのでしょう。日高邸宅跡の紅葉をたんのうした後、分岐点へと戻ることとします。
分岐点からは再び梅ヶ瀬渓谷を女ヶ倉の分岐点へと下って行きます。緩やかに流れる渓流には真っ赤なカエデの落ち葉が浮かび、秋がゆっくりと流れて行くようです。やがて川幅も広くなってくると、明るく開けた女ヶ倉の分岐点にたどり着きました。ここから車を停めた養老渓谷の駅前までは、単調な舗装道路歩きです。