大山三峰山~大山の東北に位置する小さな頂~ 


標高
大山三峰山 934.6m
山域
丹沢
登山日
1989年10月1日(日)
歩程
上り2:40、下り2:10、合計4:50
歩行距離
10.1km
標高差
798m
累積標高差
973m、-983m
登山口
煤ガ谷mapon
交通機関
 JR小田急本厚木駅、 神奈中バス
登山コース
煤ガ谷 -2:20→ 第一の岩峰 -0:20→ 第二の岩峰(三峰山) -1:10→ 不動尻キャンプ場 -1:00→ 七沢病院入口
コースmap
大山三峰山 登山コース

 

大山三峰山は大山の東北端に位置する三つの岩峰をもつ山で、低山にしては急峻な登り下りと木橋や岩場が続き、小さなスリルが味わえる山です。丹沢山から宮ヶ瀬湖に向かって伸びる尾根上に頭を持ち上げる丹沢三峰山と区別するため、大山を頭につけ大山三峰山と呼ばれています。

早朝の新宿駅より湘南方面へ向かう行楽客でほぼ満席の小田急電車に乗り本厚木の駅に。本厚木駅前のバス停から宮ガ瀬行きの神奈中バスに乗り凡そ30分。たどり着いた煤ガ谷のバス停は秋の気配が漂っています。

山行の記録

 煤ガ谷~三峰山

バス停からはひなびた煤ガ谷の山村を進んで行きます。道の脇には落ち葉と一緒に茶色く色付いた栗の毬が落ち、そろそろ秋が始まったことを感じさせてくれます。

大山三峰山から見下ろす厚木の町

登山道は山腹に絡みながら緩やかに登って行きます。道は所々雨により大きく削られています。しばらく登ると野性の鹿から植林を守るため、鹿よけの柵が登山道を横切っていました。登山道には鹿の落とし物でしょうか、動物のフンが落ちています。また紫色のアケビの食べかすも所々に落ちていました。鹿よけの柵を潜った見晴らしの好い道端で小休止です。左手には相模平野が遥かに霞み、正面に水ノ尻沢の尾根、右手にこれから登る三峰山を見上げることができます。

さらにしばらく登ると物見峠への分岐点にたどり着きました。ここから登山道はかなり急な登りになります。あえぎながら急坂を登って行くと、杉に囲まれた小さな社が建つ山ノ神の前にたどり着きました。

山ノ神からは雑木林の中の小さなコブを幾つか越えて行きます。尾根道は徐々に岩の多いゴツゴツした道に変わり、急坂を登り詰めると正面に三峰山の第一岩峰が見えてきます。暗い林の中を登る第一岩峰への登りは、所々に露岩が顔を出す登りです。たどり着いた小さな頂からは木の間隠れに大山、塔ノ岳、丹沢の山並みを眺めることができます。

第一岩峰からは痩せた尾根をたどる露岩の多い尾根道が続いています。小さなアップダウンを繰り返し、木橋、草付きの岩場を登ると第二岩峰にたどり着きました。ここは三峰山の最高点です。狭い山頂にはすでに4組みほどのハイカーが昼食の最中。我々もコッヘルを出し遅い昼食としました。山頂からのは広い展望を楽しむことができます。正面は三ノ塔、新大日、塔ノ岳などの丹沢表尾根の山々とこれから続く丹沢山、本間ノ頭などの山々。振り返る相模平野の町並みは厚木の町でしょうか。

 三峰山~不動尻キャンプ場~広沢寺温泉

雲の下に塔ノ岳から続く稜線がそびえています

昼食後、再び痩せた尾根道を第三岩峰へ。尾根道は相変わらず露岩、木橋が続き気の抜けない尾根道です。第三岩峰を越えると今度は急な下りになります。やがて下りも緩やかになると小さなベンチ。ここからは尾根を離れ、谷太郎川に向かい急な斜面をジグザクに下って行きます。降り立った谷太郎川の源頭は小さな湧水があります。大きな岩の下より冷たい水が勢いよく湧き出していました。ここからは谷太郎川に添って不動尻のキャンプ場まで下って行くこととします。途中2~3ヶ所、小さな岩場を、ロープを頼りに下るところもあります。しばらく下ると神奈川県立の不動尻キャンプ場にたどり着きました。

ここから道は舗装された車道となり、煤ガ谷への道を左に分け、単調な車道を下って行きます。しばらく下ると凡そ100m位でしょうか、照明のない暗い山ノ神のトンネルです。トンネルからは広沢寺温泉までは凡そ40分。単調な車道の下りです。広沢寺温泉からは道を間違ったらしく、川沿いの広い道を進んで行くと、今朝バスで通り過ぎた七沢病院前のバス停にたどり着いてしまいました。

山で出会った花たち

大山三峰山は山が低いこともあり、余り目新しい花は多くありません。今年は残暑が厳しかったためか、煤ヶ谷の山里にはまだ真っ赤な彼岸花が道端に咲き乱れています。この花は摩訶曼陀羅華、または曼珠沙華とも言い、墓地の周辺に多く咲くことから死人花とも言います。地面より延びた真っ直ぐな茎に大きな花を咲かせるこの花は、何度見てもあまり好きになれない花です。

 ヤマシロギク
 ヤマトリカブト
 ホトトギス

山頂へ登って行く登山道にはマツカゼソウやアキノキリンソウなどお馴染みの秋の花を見つけることができます。また不如帰の胸毛を思わせ紫と白の斑の花はその名前もホトトギス。花の形が面白いこともあり園芸種としても育てられていると言います。

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