興津駅10:00-清見寺10:20/35-宗像神社11:05/15-薩た峠あずまや12:15/35-くらさわや13:20/14:35-由比駅15:10
山の会の仲間とのハイキングは薩た峠です。春先に利用可能な青春18きっぷと桜えびがキーワードのウォーキングと言ったところです。東海道線の電車を乗り継いて降りたった興津の駅は明るい春の日差しに溢れていました。
駅前の案内板に導かれ興津の清見寺に、臨済宗の古刹は日本十刹の七位の寺と言います。また徳川家康が今川の人質として預けられていた寺としても知られています。
石段の上の山門をくぐり東海道線の跨線橋を越えると総門、その奥には大きな本堂が建っていました。境内には古い石碑や石仏が祀られています。裏山の斜面には表情も豊かな五百羅漢が立ち並んでいました。
清見寺からは薩た峠に向かうことにします。国道1号線沿いに広がる街並みは東海道53次の17番目の宿場町としてにぎわった興津宿、古い家並みはどこか歴史の匂いが漂っているようです。道端には大きな身延山道の石柱が建っていました。かつては身延山に向かう道がここから分かれていたのでしょう。
薩た峠に向かう道の途中には宗像神社が祀られています。宗像三女神に因んだのか女体の森とガイドブックなどにも紹介されていましたがクスノキの大木があるだけの境内には森の印象はありません。
国道沿いにしばらく進むと薩た峠への道標があります。峠には上道、中道がありますが我々は中道を進むことにします。東海道線を渡り民家の軒先を登って行くと海岸寺、さらにみかん畑の中を登ると薩た峠ハイキングコースの道標が建っていました。
ここから良く踏まれた山道をひと登り、突然視界が開けると清水市指定名勝と書かれた標柱が建つ薩た峠です。
ここは安藤広重の浮世絵にも描かれた景勝の地で、国道1号線や高速道路のゆるやかなカーブの上に富士山がそびえていました。それから続く青黒く霞む山並みは箱根の山々から伊豆の金冠山、長九郎山など。春霞に中に溶け込むように見え隠れする頂は優しそうな春の景色と言ったところです。
春の花が咲き乱れる明るいハイキングコースの先には東屋があります。ここで軽くお昼ご飯、東屋の傍には早咲きの桜の花が白い花弁をほころばせています。
あずまやからはみかん畑の中を薩た峠の駐車場に向かいます。由比側からは車で登ってくることができるようで観光に訪れた人々も大きな富士山を眺めていました。
そろそろみかんのシーズンも終わりかけていますが道端には無人の販売所が彼方此方に、みかんのほかブンタンやハッサクなども売っています。その一つ一つに足を停め品定め、ザックの中はみかんで一杯になりそうです。
たどり着いた由比の街は東海道53次の16番目の宿場町です。倉沢の狭い道に沿って古い町並みが残っているようです。
お目当ての桜えびはくらさわやと言うお店で、桜えびの定食と桜えび丼をいただきましたがなかなかの美味です。桜えびの天ぷらは衣も薄くサクサクででした。
ここからは由比駅に向かうことにします。古い町並みには小池邸跡やあかりの博物館などがありますが立ち寄る気にもなれません。さくら海老の解禁は4月過ぎと言うことで魚屋さんの店先にも桜えびのお土産は売られていませんでした。