正面登山口-(0h45m)-合野越-(1h20m)-マタエ-(0h20m)-由布岳(東峰)-(1h40m)-正面登山口
由布岳は備後富士とも呼ばれ、東西2つの頂を持つトロイデ型の火山です。別府の温泉街から一般道を登って行くと正面登山口の駐車場にたどり着きました。
登山口にはすでに数台の車が停まっています。タクシーで乗り付けた初老のパーティも山頂を目指すようです。
登山口からは広いカヤトの原が広がっています。2月には火入れをしているようで、登山コースを示す導標も黒く焼け焦げていました。カヤトの原が終わると登山道は明るい雑木林の中を緩やかに登って行きます。日向岳自然観察路の道を右に分けしばらく登ったところが合野越(ごうのごし)と呼ばれる広場です。左手には西登山口へと下って行く道が分かれていました。
ここからは再び雑木林の登りが始まります。ジグザグを繰り返しながら高度を上げて行くと梢の先に湯布院の街並み。その先には青くかすんだ久住の山並みが広がっていました。
山頂直下は急な登りが続きます。露岩の目立つ急坂にひと汗を流したところがマタエと呼ばれる火口壁の肩です。目の前はウバガウジと呼ばれる古い火口跡で左手には西岳の山頂、右手には東岳の山頂がそびえていました。
露岩の急坂を登ると東峰の山頂です。広く開けた岩塊の上には360度の展望が広がっています。湯布院の温泉街の先に広がる久住の山並み。目の前には扇のように稜線を広げた西峰の山頂。左手の稜線には急な岩場もあるようです。目を北に向けると霞んだ空の下に山並みが広がっています。右手は国東半島、その奥には周防灘が霞んでいました。
山頂で展望を楽しんだのち往路をたどり表登山口へ戻ることにしました。西峰の山頂から火口縁を越え剣ヶ峰へと御鉢をめぐることもできるようですが少し早めに登り始めなければ時間が足りないようです。
帰りは鶴見岳に登って行くことにします。別府温泉の裏手にそびえる鶴見岳は、ロープウェイで簡単に山頂に立てることから四季を通じてたくさんの観光客が訪れるところです。春のツツジに始まり、夏は別府の夜景、秋の紅葉、冬は山頂に広がる樹氷を楽しむことのできるところと言います。
たどり着いたロープウェイの山上駅から遊歩道を登って行くとテレビアンテナなどだ立ち並ぶ山頂にたどり着きました。三角点の置かれた山頂からは広い展望を楽しむことができます。目の前には青い別府湾と別府の温泉街、黒いシルエットとなった由布岳の尖った双耳峰も目の前にそびえていました。
山頂周辺には夫婦岩や脳天白龍、御嶽権現奥ノ院があります。脳天白龍は鶴見山神の使いと言う白龍で、頭の神、開運、金運の神として崇められているとか。岩の裂け目に賽銭を投じると1粒万倍になって戻ってくると言います。
遊歩道には鶴見岳七福神の石像が祀られていました。大黒天や恵比寿天、寿老人など。最近祀られた石仏のようで、丸い可愛らしい顔立ちをしています。何処の観光地もそうでしょうが観光客の目を引くイベントや話題作りには苦労をするもののようです。帰りのロープウェイの時間を気にしながら山頂駅に戻ることにしました。
山頂駅には赤い鳥居の一ノ宮権現があります。小さな石祠の傍らにはわくど石が祀られていました。わくどは蛙の妖怪とか。石祠の脇には鶴見岳のわくど伝説が紹介されていました。