北谷登山口-(1h05m)-千間平-(0h45m)-国見峠-(0h50m)-祖母山-(0h45m)-国見峠-(1h15m)-北谷登山口
宮崎と大分の県境に位置する祖母山は日本百名山にも選ばれた山でアケボノツツジやオオヤマレンゲの咲く山としても知られています。近くには岩峰を巡らせた傾山もあり、これらをめぐる縦走コースも整備されていると言います。
登山コースは色々とあるようで、北谷登山口から緩やかな尾根道を登るハイキングコースのほか、冬は結氷する風穴コースや天狗岩、障子岳を越える縦走コースなどが開かれているようです。ネットなどを開くと風穴コースは急な岩場もあると書かれていたこともあり、千間平コースを往復することにしました。
北谷の登山口からは山頂を背にするように大分と宮崎の県境の稜線を目指す登りが始まります。暗い杉林の中を登って行く道はジグザグを繰り返しながら緩やかに高度を上げて行きます。道端にはほぼ0.5kmおきに1合目、2合目と印された標柱が建っていました。
3合目を越えると視界が開け冬枯れの梢の先に祖母山がその姿を見せてくれます。明るい尾根道を登るようになったところが千間平と言われるところです。
ここからはなだらかな稜線歩きが始まります。まだ芽ぶきの時期にはかなり時間がかかるようで、梢に先には膨らみも見付けることができません。小さく下ったところが5合目、さらに緩やかに稜線をたどると三県境です。ここは宮崎と大分、熊本の三県が県境を接する所で、左手の道をたどると越敷岳に向かうと言います。
さらに緩やかな稜線を登って行くと国見峠にたどり着きました。広く開けた湿地と言ったところで冬場には樹氷の花も咲くと言います。
赤いよだれかけをしたお地蔵さんが祀られた道端で小休止。ここからは山頂に向かっての登りが始まります。国見峠で見たときはなだらかな登りと思っていた登山道は、山頂に近付くに従い急な登りに変わってきます。笹に覆われた登山道は霜柱や溶け残った氷でかなり歩きにくい登りです。やがて9合目小屋に向かう道を左に分け、急な登りに息を切らせると広く開けた祖母山の山頂です。
山頂には1等三角点と神武天皇の祖母と言われる豊玉姫を祀る石祠があります。なだらかな千間コースと対照的に目の前は数十メートルとるほど切れ落ちた岩峰の上で、右手には障子岳や古祖母山へと続く縦走コース、正面には岩峰を巡らせた傾山がそびえています。
山頂で出会った中年の人はこの山域には詳しい地元の人のようで、祖母山周辺の登山コースについて色々話してくれました。「冬には膝下まで雪が降ることもある。尾平から祖母山、古祖母山、傾山へと続く縦走コースがある。この稜線は紅葉の時期には特に綺麗だ。風穴コースは梯子などがかかり途中には数メートルの氷柱がある・・・」などなど。この山域は小さな奥秩父と言ったところで、山の多い大分の中でも久住山とともに山登りのメッカと言ったところのようです。
山頂からは9合目に建っているあけぼの山荘を回って登山口に戻ることにしました。荒れた笹の坂道を下ったところに建つ山小屋は最近改修が行われたようで、屋根には太陽電池のパネルなどが取り付けてありました。
途中、国見峠で小休止した後、車を停めた北谷登山口へ。他のコースと違い初心者でも登れると言われるコースですがコースが長いためか、少し時間がかかってしまったようでした。