開聞岳ふれあい公園-(1h10m)-5合目-(1h40m)-開聞岳山頂-(1h35m)-5合目-(0h40m)-開聞岳ふれあい公園
薩摩半島の最南端にそびえる開聞岳は1,000mを切る頂にもかかわらず日本百名山にも選ばれた山です。円錐形の古い火山で大隅半島の南端にそびえる端正な姿は薩摩富士とも呼ばれ、何時も多くのハイカーが訪れる山です。
日本百名山の深田久弥氏によると「これほど完璧な円錐形もなければ、全身を海中に乗り出した、これほど卓抜な構造もあるまい。」と述べているように、半島の先端にそびえる姿は百名山の選ばれたことも頷かされるものがあります。
開聞岳ふれあい公園の駐車場にはすでに数台の車が停まっていました。人気の山と言うこともあり県外の車も多く停まっているようです。登山道は広い運動公園の脇を登ったところにあります。この付近はすでに春の真っ盛りとなっているようで、道端にはカラスノエンドウなど春の草花が花をつけています。
登山口からは暗い雑木林の中の道が始まります。黒い火山礫の道はたくさんの人に踏まれたためか、深く土削られています。2.5合目で開聞山麓自然公園からの道を道を合わせると、登山道は山腹を巻くように高度を上げて行きます。しばらく登ったところが5合目、木立の間に視界が開け池田湖や長崎鼻などが目に飛び込んできました。
7合目を越えると岩がゴロゴロとした道になります。大きな岩の下に続く洞窟は仙人洞とか。その昔、この山で修行をした山伏が住んでいたところと伝えられています。
8合目を越えると雪が目に付き始めました。9合目を越えたところには小さな岩場に付けられた木の梯子がありました。気温もかなり低くなっているか、梯子の傍に張られていたロープはすっかり凍結し、堅い棒のようになっていました。
木々の先に咲いた樹氷を眺めながら低くなった灌木の林を登り詰めると岩に覆われた山頂です。360度の展望が開ける山頂からは目の前に薩摩半島。右手には錦江湾に小さく突き出した長崎鼻。その先に頭を持ち上げる小さな岩は竹山と海中に浮か俣川洲(またごし)。この岩峰は古い火山の火道は浸食されずに残ったもので、この一帯が古い火山の跡であことを物語っているようです。
平日にもかかわらず山頂にはたくさんの人が登っていました。卒業旅行で宮城からやってきたというカップルや、リフレッシュ休暇なのか2週間の休みで登山楽しもうと言う奥多摩の人など。休日のこの山は我々のような県外のハイカーが目立つようです。山頂で出会った地元の人は「この山で雪に出会ったのは20年ぶり・・・」とか。霧島には雪が降るという話を聞いたことがありますが開聞岳に雪が降るのは珍しいようです。
寒い山頂で昼食をしたのち往路をたどり登山口へ。途中の木の階段は雪が張り付き少し滑りやすかったでした。