仙酔峡登山口-(0h55m)-1160m付近-(1h40m)-高岳-(0h20m)-中岳-(0h35m)-火口東壁展望台-(0h40m)-仙酔峡登山口
阿蘇山は東西18km、南北25kmの世界でも最大級の火口原を持つカルデラ火山です。その火口原には高岳を中心とし現在も噴煙を上げている中岳、ギザギサの頭を持ち上げる根子岳や烏帽子岳、杵島岳の5つの頂がそびえ複雑な地形を形造っています。
仙酔峡入口からカヤトの原が広がる牧草地を緩やかに登って行く道は、春になればミヤマキリシマの咲くところのようですが今回の寒気で白く雪が積っています。目の前にそびえる高岳の斜面は冬山の装いを見せているようです。
広い駐車場には観光客の車が数台。火口東駅へと登って行く仙酔峡ロープウェイは観光客や火口東駅から中岳へと向かうハイカーを乗せて山頂へ登って行きました。我々は花酔橋から仙酔尾根へ向かうことにします。
花酔橋からの明るいカヤト斜面はミヤマキリシマの群生地のようですが、寒さに身を竦めるミヤマキリシマはまだ蕾さえも膨らんでいないようです。小さな鞍部は鷲見平と呼ばれるところで、登山届のボックスが置かれていました。
ここからは高岳の肩に向かい溶岩塊に覆われた歩きにくい登りが始まります。左手、恐竜の背のようにギザギザとそそり立つ岩尾根は鷲ヶ峰です。高岳の噴火などで流出した溶岩塊なのか、そそり立つ岩壁は九州の谷川岳と呼ばれロッククライミングのルートも開かれているようです。ゴロゴロとした岩屑に息を切らせながら岩尾根を登って行くと中間点です。振り返ると青空の下に広く開けた阿蘇谷、長く続く外輪山の先には久住の山並みが霞んでいました。
やがて登山道は溶岩壁の下にたどり着きます。気温はかなり低くなっているようで手袋を重ねてはいても手先が冷たいくらいです。岩の間からは大きな氷柱も下がっていました。固定ロープを頼りに溶岩壁を登って行くと、登山道は左手の肩に向かいジグザグを繰り返しながら高度を上げて行きます。山頂直下には見上げるほどの溶岩壁がそそり立っています。岩壁には吹き付ける強い風が運ぶ雪が髭のように張り付いていました。
登山道は溶岩壁を回り込むように稜線にたどり着きました。ここからは高岳の山頂に向かい広く開けた稜線の上をたどる道が始まります。左手は大鍋火口と言われる古い噴火口で、火口底には小さな月見小屋が建っていました。
稜線から緩やかに登ったところが高岳の山頂です。強い風が吹き抜ける山頂からは360度の広い展望を楽しむことができます。赤茶けた火山礫の稜線の先には中岳と盛んに噴煙度上げる中央火口。その左右には烏帽子岳と臼杵岳が頭を持ち上げていました。
寒い山頂でお握りの昼食を済ませたのち中岳に向かいます。大鍋の火口を左にな眺めながら火口壁の渕を下って行くと中岳の山頂です。赤茶けた火山礫に覆われた山頂には山頂標識。目の前には沢筋に幾筋もの雪を張り付けた砂千里ヶ浜。大きく口を開ける中央火口は今も盛んに噴煙を上げていました。
中岳からは溶岩壁を回り込むように火口東壁展望台へ向かって急な坂道を下って行きます。ロープウェイを利用し展望台から高岳の山頂を目指すのか、息を切らせながら登ってくるハイカーも多いようです。
細くなった釣尾根を越え小さく登り返すと火口東壁展望台です。目の前には盛んに噴煙を上げる中央火口、噴煙の先には観光バスやマイカーで賑わう火口西の展望台が広がっていました。
広大な火口の展望に別れを告げ火口東駅へと下って行きます。遊歩道のような道には所々にドームのような待避壕があります。コンクリート壁が朽ちかけもう何年も利用されていないようですが、この山がまだ盛んに活動している火山であることを窺い知ることができるようです。
火口東駅からもコンクリートの遊歩道が仙酔峡駅まで続いています。花の季節にはミヤマキリシマが咲くと言う明るい遊歩道も、今は冬枯れのカヤトの原の中に堅い蕾がひっそりと春を待っていました。