札幌市街の南西に位置する円山は市街地の中にありながら今なお深い森と鳥などの小動物に恵まれた山です。かってアイヌの人はこの山を「モ・イワ(小さな山)」呼んでいたと言いますが、何時の頃から隣の山が藻岩山になってしまったと伝えられています。今は札幌市民のハイキングの山として、四季を通じてたくさんの人が山頂を目指しています。北国の山としては珍しく、雪の降る季節にもハイカーの踏み跡が途絶えることのない山です。
北海道神宮の駐車場に車を停め、大師堂脇から遊歩道を登って行きます。3月と言いながら北国はまだ冬の世界。あたりは40~50センチほどの雪に覆われています。雪が解け始める時期、ブナやミズナラなどの根元の雪解けが進む根明けも、まだしばらく先でしょうか。山はまだ冬の眠りから覚めていないようです。
しかし、この山は冬の最中もかなりの人が登っているようで、登山道は硬く踏みしめられています。長靴で雪を踏みしめながら山頂までは凡そ25分。山之神の石碑の立つ山頂に立つと、目の前に札幌の町並みが広がっていました。