篭ノ登山の山麓に広がる池の平は乾燥化が進んだ湿原です。数万年前に噴火していた三方ヶ峰火山の火口原に昼がる湿原で、初夏にはたくさんの花に恵まれた軽い山歩きが楽しめるところです。
今日も山の会の仲間との山行です。昨日の湯ノ丸山に引き続き近くにある東篭ノ登山・水ノ登山コースと池の平湿原散策コースの2班に分かれて山行することになりました。小諸の町からたくさんの車であふれる地蔵峠に。7月、8月の休日は一般車の乗り入れが規制されている地蔵峠と高峰温泉を結ぶ林道も、まだ規制が始まっていないようで池の平の駐車場まで車で入ることができました。
篭ノ登山・水ノ登山へと向かうメンバーと別れ、遊歩道のような道が続く尾根道を登りはじめます。このコースはアップダウンも少なく、湿原を彩る花なども多いためか、子供連れや年配のハイカーで賑わっています。梅雨空としてはよく晴れているものの、白く濁った空の下では展望は期待できそうにありません。それでも白く霞む奥秩父の山並みの先にかすかに富士山の姿を見付けることができました。
明るい稜線には夏の花が咲き始めています。ゴゼンタチバナやツマトリソウなどお馴染みの花を探しながら稜線を登って行くと村界の丘と言われる広場です。目の前には東籠ノ登山の頂がそびえていました。さらに稜線を進むと雷の丘、雲上の丘などと名付けられた広場が現れます。目の前は池の平湿原が広がっていました。
暗いシラビソの林の中を抜け三方ヶ峰への分岐から小さく登った頂が見晴岳です。目の前には池の平、振り返ると昨日登った湯ノ丸山。その先には北アルプスの稜線が白いスカイラインとなって続いています。アンテナの建つ稜線の先には地蔵峠へと下って行く登山道も続いているようです。
広い展望を楽しみながら昼食を楽しんだのち、三方ヶ峰に向かうことにします。小さく下った稜線をしばらく進むと三方ヶ峰です。ここはコマクサの群生地で、一時は盗掘などで絶滅に危険にあっていたところです。稜線に沿って続く柵の中には点々とコマクサが咲き始めていました。柵の中には3等三角点もあります。標石は草に埋もれ標柱もありません。気が付かなければ見落としそうな三角点です。
三方ヶ峰からは池の平に下って行きます。乾燥化の進んだ池の平は数万年前の三方ヶ峰火山の火口原と言います。木道の先に広がる外輪山の一部が崩壊し水を失ったところと言います。湿原の中央には水をたたえる小さな沼にはヒメシャクナゲも咲いていました。
たどり着いた池の平から高峰温泉に向かうことにします。この車坂高峰林道は未舗装の林道で、落石もありそうなところです。以前、高峰温泉から篭ノ登山と水ノ登山に登った時は、この林道を歩いて高峰温泉に戻りました。かなり長い林道歩きに飽きた記憶が残っています。高峰温泉にたどり着くとすでに篭ノ登山にに登ったメンバーは登山口にたどり着いていました。
帰りは近くの天狗の湯に入浴していくことにします。雑木林の林道をしばらく走ったところにある天狗の湯は浅間山の登山口の一つである火山館コースの登山口です。タオルを入れると赤く染まりそうな真っ赤な温泉は鉄鉱泉とか。小さな湯船の縁には赤く湯の花がこびりついていました。
池の平はたくさんの花に出会うことができるところです。ここに咲くシジクソウは北海道と美ヶ原、池の平など群馬県の限られた地域に咲く珍しいものとか。また岩陰に咲いていたグンバイヅルも初めて見る花でした。