鼻曲山は長野県と群馬県の県境に位置し、山頂からは浅間山、妙義山、榛名山などの雄大な展望を楽しめる山です。昨年は水ノ登山、篭ノ登山、湯ノ丸山など、浅間山の西側に位置する山々を訪ねてみましたが、今回は浅間山の東に位置する鼻曲山への山行きです。
関越自動車道、上信越自動車道をたどり軽井沢の町へ。土産物屋が建ち並ぶ軽井沢の町に中を緩やかに登って行くと白糸ハイランドウェイです。しばらく登ると数軒の土産物屋が軒を並べる白糸ノ滝にたどり着きました。富士山の白糸ノ滝に比べればその規模は比較にはならないものの、砂礫層より覆流水が白糸のように落ちる様は、まさに白糸ノ滝です。
白糸ノ滝からは国道146号線、県道32号線をたどり鼻曲山の登山口である二度上峠へと向かうことにします。
二度上峠は浅間隠山と鼻曲山の稜線上の峠です。ここからはまだ冬枯れの明るい雑木林の稜線を氷妻山へと歩きはじめます。右手には真っ白な雪を抱いた浅間山。振り返ると冬枯れの浅間隠山がそびえていました。獅子岩といわれる大きな岩を越え、急な坂道をひと登りすると稜線上の小さな頂である氷妻山です。小さなベンチがひとつ置いてありました。
氷妻山からは、所々に雪の残る稜線上の道を鼻曲山へと登って行きます。幾つかのコブを越えると鼻曲山への最後の急な登り坂が控えています。この急な登り坂には残雪が真っ白に張り付いていました。
たどり着いた山頂は東西に長く開けた頂です。東側の頂上、大天狗からは目の前に剣ヶ峰、角落山。春霞にうっすらと霞むのは妙義山や榛名山。振り返る西側の頂上、小天狗からは白く雪を被った浅間山が目の前にそびえています。なかなかすばらしい景色です。
山頂での展望を楽しんだ後、二度上峠へ戻ることとします。登りでは辛かった雪の坂道は、下りも滑りやすく疲れるものです。振り返ると鼻曲山の鷲鼻のような山頂が明るい春の日を浴びていました。そろそろ傾きかけた春の日に追われるように稜線を急ぐと氷妻山。やがて浅間隠山の姿が大きくなると車を停めた二度上峠です。