車坂峠表コース10:15-(1h15m)-鞘口非難シェルター11:30/40-(0h35m)-黒斑山12:15-(0h30m)-蛇骨岳12:45/13:20-(0h30m)-黒斑山13:50/14:00-(0h50m)-中コース2200m14:50/15:20-(0h25m)-車坂峠15:45
浅間山は今も噴煙を上げる火山です。ここ数年は火山活動も収まりかけ中央火口丘近くの前掛山まで登山することができるようになっています。黒斑山は浅間山の外輪山の最高点で、火山活動が盛んであった頃もここまでは登ることが出来た頂です。
たどり着いた車坂峠の駐車場からトーミの頭に向かい登山道が始まります。登りは展望の良い表コースを登ることにします。赤く色付いた雑木林の中を緩やかに登って行きます。奥秩父の山並みの上に富士山の頂も見え隠れしていました。
一度小さく下った登山道は開けた砂礫の斜面を登るようになります。正面にはなだらかな黒斑山の稜線、その斜面には北八ヶ岳のように縞枯れの模様も見えています。振り返ると小さく頭を持ち上げる水ノ登山から篭ノ登山の頂、その右手には四阿山から草津白根の山々も見付けることができます。
樹林帯の中を登って行く道は緩やかにアカゾレの頭と呼ばれるピークを目指して登って行きます。たどり着いた広場には赤茶けた非難シェルターがありました。浅間山の噴火に備えて建てられたかまぼこ型の避難施設です。20年ほど前まではこの付近まで噴石などの被害があったことを窺わせるものです。
アカゾレの頭からは小さく下りトーミの頭へと登り返します。ガスの中僅かに見える浅間山の山肌、右手の絶壁の上は浅間山のビューポイントのようで大型の三脚をかかえたカメラマンがシャッターチャンスを窺っていました。
火口壁の縁を登って行く火山礫の登山道にひと汗を流すとトーミの頭です。小さな岩塊上には昼時ということもある数組のハイカーがお弁当を広げていました。
先ほどまで視界を遮っていたガスも流れ始め、浅間山の山頂がその姿を見せてくれます。右手が切れ落ちた火口壁の縁を登って行く登山道は、コメツガの林に入ったり出たりを繰り返しながら黒斑山を目指して登って行きます。
たどり着いた黒斑山の山頂には浅間山の火山活動を見守る監視カメラがあります。山頂標識はあるものの登山道の途中と言った目立たない山頂です。
ここからはコメツガの林の中を緩やかに蛇骨岳へと向かいます。登り下りの少ない登山道は雨水などを含んだ泥濘で歩きにくいところもあります。
広く開けた蛇骨岳の山頂もまた登山道の通過点と言ったところです。山頂標識の近くには若者のグループ、Jバンドから登って来たのか中年の夫婦連れなども昼食の最中です。北側が開けた山頂からは目の前に四阿山、それから続く稜線は御飯岳、草津白根山、笠岳、横手山などの頂、その先には岩菅山の頂も黒いシルエットになって続いていました。
先ほどまで晴れていた浅間山に雲がかかり始めています。2000mを越える稜線は日が陰ると風の冷たさも気になるところです。早めに下山を始めると言うことで往路をたどり車坂峠に戻ることにしました。
目の前に広る火口原は前掛山に登って時に歩いたところです。浅間山の斜面に続く登山道を目でたどると牙山近くに火山間の建物も見え隠れしていました。ここから剣ヶ峰の裾を巻くように続いて行く道は石尊山、血ノ池を経て追分へと下って行く道です。ガイドブックには追分から石尊山を往復するコースも展望に恵まれたところと紹介されたいました。
黒斑山からトーミの頭へ、小さく下った鞍部から樹林帯の中を下って行く道は中コースです。木の根が多少煩いものの緩やかに下って行く登山道はアップダウンも少なく歩きやすい道です。やがて視界が開けてくると車坂峠のホテルなどが梢の先に見え隠れしてきます。
たどり着いた車坂高原ホテルの駐車場からは広い展望を楽しむことができます。晴れ渡っているものの2000m付近にたなびく雲にさえぎられ山頂を同定するのは難しいようです。それでも八ヶ岳周辺の山々を見付けることは出来ました。