鉢伏山荘駐車場12:42~鉢伏山~鉢伏山展望台12:10/27~鉢伏山~鉢伏山荘駐車場13:57
高ボッチ山から続く林道をしばらく走ると鉢伏山荘の駐車場です。高ボッチ山から鉢伏山へは6kmほど、この間を歩くハイカーやトレランを楽しむ若者もそれなりに多いようです。
鉢伏山荘から僅かに登ると美ヶ原高原ロングトレイルの標識が建っています。全長45kmという長いコースで途中には王ヶ頭や茶臼山、三峰山から鉢伏山をたどるコースが整備されていると言います。目の前の分岐は扉温泉へと続くコースのようです。
登山道には砂利などが敷かれ緩やかに稜線を目指して登って行きます。振り返るとアンテナを頭にのせた王ヶ頭、それから続く溶岩台地が横たわっていました。
ひと登りすると鉢伏山の山頂です。美ヶ原高原ロングトレイルの一つ、牛伏寺まで6kmの道標が立っていました。
山頂には鉢伏大神の石祠が祀られています。古くは雨乞いの神として信仰され、山岳仏教の霊場としても栄えたと言います。
丸い建物は鉢伏山展望台、かなり傷んでいるようで展望台の上には登れないようでした。
目の前には諏訪湖とそれから続く守屋山や入笠山など南アルプスの北端の山々、仙丈ケ岳や甲斐駒などは巻き上がる雲の中に隠れていました。
また松本方面、北アルプスの展望も広がるところです。晴れてはいるものの濁った夏の空に下では視界も今一つです。雲の中に御嶽山や乗鞍岳、武尊岳の山々が隠れしているようでした。
山頂には10頭ほどの鹿の群れがこちらを警戒しながら草を食べています。少し近付くと一頭が甲高い鳴き声を上げます。それでも人に慣れているのか逃げもせず再び草を食べていました。鹿の天敵となる動物が多くないことから数が増え、鹿による食害で毒草であるマルバダケブキやトリカブトなどを除き高山植物が無くなったと言います。自然の保護はなかなか難しいものがあると言うことでしょう。
山頂で軽い昼食を済ませ鉢伏小屋へと下って行くことにします。登山口近くの扉温泉への分岐の先には長野県消防防災ヘリコプター事故現場の道標が建っていました。
平成29年3月の防災ヘリコプターの事故では目の前に広がる斜面で発生、搭乗していた隊員が犠牲になったと言います。
緩やかな山頂からの展望を楽しめた鉢伏山の山行、とりあえず天気にも恵まれた軽い山行でした。
広い草原の広がる鉢伏山はかつてニッコウキスゲが咲く山として知られていたと言います。
20年ほど前にこの山を訪れたとき小屋番の方がシカの食害で花はめっきり少なったと話していましたが、今は笹とカヤなどに覆われた草原となっていました。